冷戦2
出典: Jinkawiki
暴力の荒れ狂った20世紀前半を思う時、20世紀後半の最も顕著な特徴は、第三次世界大戦がなかったことである。その代わり、「冷戦」(the Cold War)と呼ばれる。実際の戦争をともなわない、濃密な敵対の時代があった。対立はあまりに熾烈であったので、多くの者が超大国間での武力紛争を予想した。戦闘はあったものの、それは周辺部のことであり、アメリカとソ連が直接戦うものではなかった。1947年から1989年まで、冷戦は40年間続いた。冷戦のピークは1947年から1963年までであり、米ソ間での真剣な交渉はほとんどなかった。1945年から1955年までには首脳会議すら持たれなかった。1952年に、アメリカの駐ソ大使ジョージ・ケナン(George F.Kennan)は、自らの大使館内での孤独を、第二次世界大戦中のベルリンでの抑留経験と比較した。1970年代と1980年代の冷戦の後半戦は、全く異なっていた。米ソはさまざまな接触を持ち、軍備管理条約をめぐって不断の交渉を重ねた。1985年にソ連でミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)が権力を掌握したことで、冷戦の終焉は非常に素早く訪れた。東ヨーロッパに対するソ連の覇権は1989年に潰え、ソ連自体も1991年に崩壊したのであった。
NGS