労働教育

出典: Jinkawiki

労働と労働教育    

 労働学校は労働教育の学校である。労働教育は所与の対象から人間の有益な事物をつくりだす、つまり使用価値を手にいれる合目的的活動を子どもが計画的かつ組織的に学ぶことにある。労働教育を受けることによって、子どもは自然を人間の必要に奉仕させることのできる存在として発達する。労働教育は自然の征服者の教育である。




労働教育の目的・本質・方法・意義    

 自然の事物や現象から人類に役立つ対象をつくりだす能力を子どもに発達させること。労働教育の本質は子どもによる労働用具と技術の習得である。労働教育の方法は、子どもが労働活動において計画的に組織された練習をすること。労働教育の意義は、自然を支配する道具を習得し、自然を人類の利益と要求に従属させる力量のある人間の教育である。




労働の教育的概念

 これまで、普通の授業に何らかの手による活動を結び付ければ、国民学校の子どもの実践的関心にこたえることができると考えられてきた。そこで合言葉になったのが「原理」としての労働教育であって、「教科」としての労働教育ではなかった。教室の座席にすわっての労働教育であって、別に設けた実習室での、あるいは、練達した労働者を教師にむかえての労働教育ではなかった。




労働学校の教師

 労働学校は教師の再教育を要請する。古い学校の教師は教授者という性質が強かった。古い学校の教師は受動的存在であり、従僕であった。そのため、組織づくりの経験と組織づくりの習熟を必要とする。子どもを教育することは、教師を自治体労働共同体に組織することであり、子どもを教授することは教師の自主的課業を組織すること。したがって教師は己を子どもの組織者と考えなくてはならず、組織的能力は不可欠であるとされている。




参考文献

 労働学校と総合技術教育 ブロンスキー著 三沢正博・笹島勇治郎訳 明治図書出版

 労働学校論 ケルシェンシュタイナー著 藤沢法暎訳 明治図書出版 


  人間科学大事典

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