動画メディア

出典: Jinkawiki

(1)映画の特性 動画メディアとして最も長い歴史を持つ映画は19世紀末に開発され、20世紀初頭にはアメリカ合衆国や日本において、教育利用が始められていた。今日の教育の現場では映画が用いられることは、ほとんどない。利用の手軽なビデオ教材が圧倒的に多い。 しかし、映画の特性を知ることは動画メディアの特性を考える基礎である。コンピューターで動画の教育的特性は、次のようにまとめることができる。

1.動く映像によって、より実感的にものごとを把握させる。

2.高速度撮影や微速度撮影によって時間を人為的に変更したり、事物のサイズを拡大・縮小して撮影したりすることによって、肉眼では観察しにくい、あるいは、観察することのできない過程を容易に観察させることができる。

3.大画面を暗室で見ることにより、画面に注意をひきつけやすい。

4.3の特性にも関係するが、音楽や効果音の利用などあいまって情意的な働きを持つ。

(2)テレビやビデオ教材の特性 テレビやビデオ教材は、全体として映画とよく似た特性をもつメディアであると考えられている。しかしいくつかの点で相違がある。 1.テレビやビデオ教材がCRT液晶テレビ上画像を再生している場合、目の疲労を考慮して、暗室でみることになる。この場合、暗室映像としての特性はもたない。 2.一般に利用されるビデオ・カメラでは映画のような高速撮影はできない。これに対し、映画撮影機では、一秒間に数千コマという高速撮影が可能である。いわゆるスローモーション再生では、映画の場合短時間の動きを鮮明にとらえられるのに対し、ビデオではそれが不可能である。 (3)動画メディアの教育利用 映画・テレビなどの動画メディアの教育的特性から考えて、その利用には次のような目的が考えられる。

1. これから学ぶ新たな概念や知識、技能について、授業の前位に外観しておくために。

2. 授業で学んだ新たな知識や技能について整理するために。

3. 授業中の教師の説明を補足し、膨らませるために。

4. 子どもの情動を揺さぶり、感動体験を与えることによって情意的な目標を達成するために。 授業で動画提示メディアを利用する場合の留意点は次のようにする。

1. 利用の目的を明確にして、目的に合った教材の確保に努力する。

2. 授業中のスムーズな利用のために、機器や視聴環境の整備に努める。

3. 利用の目的に合わせて、適宣、事前指導、事後指導などを行い、目的の達成に努める。


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