北アイルランド問題
出典: Jinkawiki
北アイルランド問題(きたあいるらんどもんだい)は、北アイルランドにおける紛争問題の総称である。20世紀におけるイギリスの最大の政治問題と言われている。
1922年、英愛条約に基づいてアイルランド島32州のうちの26州がアイルランド自由国としてイギリスの自治領となることを認められた(後にアイルランド共和国として完全独立)。しかし、北部のアルスター地方のうち6州はイギリス領にとどまった。
1968年前後から、社会的差別を受けていたカトリック教徒と、プロテスタント主体の北アイルランド政府との対立が深刻になり、アメリカ合衆国の公民権運動の影響もあって、IRA(アイルランド共和軍)と、イギリス陸軍や北アイルランド警察との間に武力衝突が発生した。
1975年、イギリスとIRAとの間に休戦協定が締結されたが、プロテスタント強硬派の反対により再び情勢が悪化した。
1996年になると交渉が再開し、1998年に両者間で署名したベルファスト合意に基づき、北アイルランド議会や、アイルランド共和国と北アイルランド議会の代表で構成される南北評議会が設立された。
これにより、IRAの武装解除の決定など紛争解決へ向けた方針は固持しているが、北アイルランド議会の機能停止や、過激派によるテロの発生など、完全な問題解決にはまだ障害が残っているのが現状である。
この問題による宗教的差別が原因で、北アイルランドの経済はサービス業を中心に打撃を受けた。