十二支
出典: Jinkawiki
十二支
子(ね、ねずみ)からはじまる十二種類の動物が毎年交代でその年の動物になる、といえばおなじみの「十二支」だが、それでは、「干支」という言葉がなにを指しているか。 それは字のとおり、「干支」の「支」は「十二支」からきている。「干」は「十干(じっかん)」という言葉から来ているものである。
十二支は、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12個の記号。 十干は、甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戌(つちのえ)・巳(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)の10個の記号。 この「十二支」と「十干」は、それぞれ独自の周期をもつ年の数え方で、この二つを組み合わせて60年かけて一周する年、または60日かけて一周する日を表し、時刻や方角を示すときにも用いられる。 この干支は、今から3000年以上前、紀元前15世紀頃の中国の殷で作られたとされるシステムである。十二支は動物の名前で呼ばれているが、もともとは植物の成長過程を12段階で表したものであった。それが動物の名前に当てはめられることで、人々に親しみが生まれ、各動物にも様々な物語が込められ、そして信仰の対象となっていった。日本に伝わったのは6世紀頃で、仏教の伝来と同じ頃と考えられている。
各動物に込められた意味
【子(ネズミ)】行動力と財:すぐに子ねずみが増え成長することから、子孫繁栄の意味がある。
【丑(ウシ)】粘り強さと誠実:肉は大切な食料に、力は労働にと社会に密接に関わる干支である。
【寅(トラ)】決断力と才知:虎は毛皮の美しい模様から前身は夜空に輝く星と考えられ た。
【卯(ウサギ)】温厚で従順:兎の穏やかな様子から家内安全、跳躍する姿から飛躍を表し す。
【辰(リュウ)】正義感と信用:伝説の生き物・龍は瑞祥と言われ、古来中国では、権力者の象徴として、扱われた。
【巳(ヘビ)】探究心と情熱:執念深いと言われる蛇だが恩も忘れず、助けてくれた人には恩返しを行うと言われている。
【午(ウマ)】陽気で派手好き:人との付き合いが古い動物。人の役に立ち、人間も馬を大事に扱った。
【未(ヒツジ)】穏やかで人情に厚い:群れをなす羊は、家族の安泰を示しいつまでも平和に暮らす事を意味している。
【申(サル)】器用で臨機応変:山の賢者で、山神の使いと信じられていた。信仰の対象としても馴染み深い動物である。
【酉(ニワトリ)】親切で世話好き:人に時を報せる動物。「とり」は“とりこむ”と言われ、商売などには縁起の良い干支でもある。
【戌(イヌ)】勤勉で努力家:社会性があり、忠実な動物。人との付き合いも古く親しみ深い動物。
【亥(イノシシ)】勇気と冒険:猪の肉は、万病を防ぐと言われ、無病息災の象徴。
十二支の順番はどうやって決まったのか?
下記のような昔話があったので紹介する。
昔々、神様が動物たちに「元旦に神殿へ早く来たもの12匹に、一年ずつ順番にその年を守ってもらい、これを干支とする」というお触れを出しました。
動物たちは身支度をはじめましたが、ネコだけは集まる日を忘れてしまったので、ネズミに聞くことにしました。「集まる日はいつ?」「正月の二日です。」このネズミは、悪知恵の働く動物だったので、ネコは騙されているとも知らずネズミの言うことを鵜呑みにしていました。
そんな頃、ウシは「私は歩くのが遅いから、一足先に出ます。」と、年末にみんなよりも早く出発しました。その時、ネズミはちゃっかりウシの背中に飛び乗りました。
ウシは誰よりも早く出たおかげで、神殿に一番早く到着しました。「ここまで来れば安心。」と、神殿の前で元旦が来るのを待つことにしました。
やがて、日が昇って神殿が開き、ウシがゆっくりと中に入ろうとした時、背中に乗っていたネズミが飛び降り、神殿に入ってしまったのです。「一番のりだ。」
こうして、ネズミは干支で一番になり、ウシが二番になりました。それから虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪の順で着きました。
鶏が猿と犬の間になったのは仲の悪い両者を仲裁していたためだそうです。ネコは正月の二日になってから来たため、干支の仲間になれませんでした。この日からネコはネズミを恨み、追い回すようになったと言われています。
ちなみに、13番目であったために十二支に入れなかったイタチをかわいそうに思った神様は、毎月の最初の日を「ついたち」と呼ぶことにしました。
参考文献
www.ratio.co.jp/tokushu/shogatsu2003-2004/juunishi.html
www.eto12.com/junishi00.html
もっと知りたい!十二支のひみつ 大高成元著