南シナ海
出典: Jinkawiki
南シナ海 北で中国と、東でフィリピンと、西でヴェトナムと、そして南でマレーシア、ブルネイと境界を接して、南シナ海は戦略的・経済的に多大な重要性を抱えた地域である。世界の商船の約3分の1がここを通過する。世界の漁獲量の8%はこの海域による。そしてまた、おそらく世界の丸一年分の消費に匹敵する石油と天然ガスがここに眠っている。 3つの理由から!南シナ海での国際紛争は危険である。第1に、この海域は領有権が争われている小島や岩礁、環礁に満ちあふれている。これらの領土紛争が基礎となって、5つの沿岸国家による海域への主張が重複している。実際、中国と台湾はこの海域のほぼ全体の所有を主張している。第2に、紛争当事国は自らの主張を武器で裏づけ意志を表示してきた。第3に、深刻な誤認または判断の誤りが生じる可能性が大きく、そこから意図せぬ紛争につながりかねない。とりわけ心配されるのが、深刻な地域での衝突の際に、アメリカが果たす役割についての不確実性についてである。アメリカ政府は領土紛争で一方の側には立たないと声明しているが、同政府は この海域を国際海洋法の下にある公海とみなしており、重要な国際的シーレーンの自由を維持しようとしている。アメリカ政府はまた、フィリピンには、条約上の義務が、ヴェトナムとは友好関係があり、このことがこれらの国々の一方または双方に、中国との紛争の際に期待できるアメリカの支持レベルの判断を誤らせ、過大な行動をとらせるかもしれない。他方、中国がこの地域で支配的な海軍大国になろうとする試みに抵抗するアメリカの意思を、中国は過小評価するかもしれない。この支配的海軍大国という目的は、人民解放軍(PLA)の戦略家たちによって明確化されている。さらに、中国以外の諸国は、中国政府の手で政策が形成される程度について判断を誤るかもしれない。南シナ海問題では、PLA海軍が主導権を握っていることを示す証拠がある。 南シナ海が紛争の火種であると気づいて、2002年に中国とASEANは南シナ海に関する行動宣言を交渉した。この宣言は、具体的な領土または海洋紛争を解決するものではないが、交渉を通じて平和的に解決に臨み、事態を複雑化または深刻化させる行動を慎むよう当事者に求めてきた。たが、中国がより強気な海軍大国となり、グローバルな石油とガスの価格が高騰するにつれて、世界のこの特に重要な地域で、紛争と協調のどちらが優先されるかは大きな疑問のままになっている。
参考文献: 『国際紛争 理論と歴史 ジョセフ・S.ナイ・ジュニア/著 デイヴィッド・A.ウェルチ/著 田中明彦/訳 村田晃嗣/訳 有斐閣 2013年04月 』 :( http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5044 2015.7.31) :( http://lite.blogos.com/article/117940/ 2015.7.31) : (http://m.jp.wsj.com/articles/SB11967417060534283459204580637742432853232?mobile=y 2015.7.31)