南北問題
出典: Jinkawiki
[編集]
南北問題とは
主として北半球に位置する先進工業国と、熱帯・亜熱帯の南半球に集中する開発途上国との間の国際的な貧富格差がもたらす政治、経済的な諸問題の総称。 1959年、イギリスの銀行家オリバー・フランクスが最初に使って以来、イデオロギーや軍事的な対立の「東西問題」との対比の用語として広まった。
[編集]
背景
「北」の繁栄と「南」の貧困が関連するようにとらえられるようになったのは戦後の1960年からである。 まずは第三世界と言われた新生独立諸国の台頭である。 戦後、アジアから始まった独立の風潮は60年代にはアフリカに広がった。これらの国々では政治的な独立は達成されたものの経済的自立からはかけ離れていた。 もう一つはこうした新生独立諸国の経済的停滞が冷戦対立の文脈に位置づけられ、先進諸国の戦略的な関心の対象になったことである。キューバ革命が起きた59年に「南北問題」という言葉がそれを象徴している。
[編集]
解決法として
1960年代の関心は先進国の支援による後進国の近代化に向けられた。国連が先進国の取り組みを促した。しかしその為近代化論を理論的根拠に、先進国からの資本、技術、思想の導入によって伝統社会を解体し、短期間に近代社会つくり変えることを目指されたことによって後進国の反感をかった。 他方国連を中心に、南北問題に対する国際的な枠づくりの新たな方向性が現れた。単なる援助活動ではなく途上国に不利な交易条件などにより構造的な問題の改善に取り組んでいった。非同盟諸国会議を結成した途上国が共通した経済問題の解決を目指して結集したのである。
グローバル化の進展で世界的な経済格差が拡大するにつれ、南北問題への国際的な取り組みが再び課題として浮上しつつある。