南北問題10

出典: Jinkawiki

南北問題

地球の北半球の温帯地方以北に集中している先進資本主義諸国と、それ以南に多く位置する発展途上国との間の著しい経済的格差から生じている経済的、政治的諸問題。「南北問題」という用語は、イギリスのロイズ銀行会長であったオリヴァー・フランク氏が、1959年末にアメリカ合衆国で行った講演の「いまや世界の中心問題はこれまでの東西問題(旧ソ連を中心とする社会主義諸国の東側とアメリカを中心とする資本主義諸国の西側の政治的・軍事的対立などの諸問題)から南北問題に移ったのであり、したがって資本主義諸国は南の世界、すなわち発展途上国の開発援助をその対外政策のかなめに捉えるべきである」との言に由来するものである。  

南北問題の展開

先進国側からの南北問題のアプローチは1961年の国際連合第16回総会における「国際連合開発の10年、国際経済協力のための計画」として具体化した。この決議では「現在の10年間を国際連合開発の10年と命名し、加盟国とその人民とは、個々の国の経済的成長と社会的向上への進歩を促進させるため、先進国と発展途上国との双方に対し、必要な措置を動員、支援努力を強化し、各国が各自その目標を持つにしても10年の終わりに総合的に国民所得の成長率を最低年率5パーセントを目標として、低開発国の成長率の増大を図るものである。」とした。1962年には、開発途上国の経済開発促進と南北問題の経済格差を改めるため、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)の設立が決定された。1964年にはUNCTAD総会がジュネーブで開催された。
1970年9月に開催された国連総会では、「第二次国連開発の10年」の決議が採択された。この決議では、先進国のODAがGNPの0.7%となるように定められた。1974年4月には国際資源特別総会で、第4次中東戦争から第1次石油ショックからおきた、天然資源を先進国の支配から取戻し自国で開発を目指す資源ナショナリズムを背景に「新国際経済秩序樹立に関する宣言(新国際経済秩序)が採択された。

参考文献

ブリタニカ国際百科事典
南北問題の展開と新国際経済秩序について 堀中浩

rusy


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