南北問題7

出典: Jinkawiki


南北問題(the North-South problem)とは、地球の北半球温帯地域以北に集中している先進資本主義諸国と、以南に多く位置する発展途上国との間の著しい経済的格差から生じる経済的、政治的諸問題の総称。この言葉は1959年末にニューヨークを訪問したイギリスのロイド銀行会長フランクス(O. S. Franks1905~1992)の「いまや世界の中心問題はこれまでの東西問題から南北問題に移ったのであり、したがって資本主義諸国の南の世界、すなわち発展途上国の開発援助をその対外政策のかなめに据えるべきである」との提言に由来するといわれている。南北問題はその後、単なる発展途上国の経済的開発=工業化問題ではなく、発展途上国による国際経済秩序変革の要求と、それに対する先進資本主義諸国の対応という2側面を含むに至った。それは経済的であると同時に経済的問題でもある。なお南北問題を検討する国際会議の場として、国連に直属する国際貿易開発会議がある。

歴史

 1960年以降顕著となった北半球の先進国と南半球の発展途上国との間の諸問題。拡大する経済格差の是正が中心課題だが、それを通じて新興独立国の結束が高まり、国際政治の面では両者の緊張が問題となっている。南北問題は60年代初めの国際社会の拡大、変化と関係していて、東南アジア、中近東、アフリカ、ラテンアメリカなどの旧植民地諸国の独立、先進国から発展途上国への経済援助問題、中ソ対立、米ソ接近などの政治的な動きによってクローズアップされるようになった。1964年国際貿易開発会議(UNCTAD)開催後、先進国による資本・技術援助や1次産品中心の貿易拡大策が進められている。1971年に発展途上の77ヶ国グループが、より効果的な国際協力による南北経済格差の是正を要求した。これをリマ宣言という。これにより、南北問題は世界的な課題として認識されるようになった。資源ナショナリズムの高揚を背景に、新国際経済秩序(NIEO)宣言が1974年の国際資源特別総会で採択されるなど、北側に対する南側の圧力は著しく強まった。また、新国際経済秩序(NIEO)の推進は世界的な不況を招いた。そして、1980年代にかけて急増した累積債務は南側各国にとって重圧となり、また一方では、資源問題は南側諸国間の経済格差(南南問題)を進行させ、南北問題をより複雑化している。さらに、1980年代末からは地球環境問題が南北問題の重要な一環をなすことが明らかにされ、〈持続可能な発展〉という方向が提示されている。また、1980年以降、先進諸国は不況から脱したものの、開発途上諸国は新興工業経済地域(NIES)と低所得国の格差を生み出したり、債務問題や環境と開発の問題など新たな問題に直面している。


原因

 発展途上国の貧困の原因として考えられる原因は、人口爆発や第二に貧困国内部での民族戦争や内戦が行われていることや資源の偏在や工業化の遅れや経済力・生産力の低さなどが挙げられる。人口爆発は南北問題で重要な問題である。先進国では少産少死で人口が安定しているのに対し、発展途上国では多産少死で人口爆発という現象が起きている。気候の関係で慢性的な食糧不足や飢餓に長年悩まされている国が多いため多産少死になってしまう。しかし、このまま人口の増加が続くと世界規模での食糧不足や食糧危機の可能性がある為、先進国であっても将来的にこのような問題に関係してくるのである。


参考文献

ブリタニカ国際百科事典   http://www.aiueo.ws/EJUAIS/koumin/q4.html


 ハンドル名:いも


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