南北問題15
出典: Jinkawiki
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概要
地球の北半球の位置する先進工業国と南半球に位置する発展途上国との間に顕著に表れてしまっている経済格差から生じる政治的かつ経済的な問題の総称。エジプト革命などの動きは、第三世界の国々に先進国のように経済的に独立することが重要であることを気づかせたが、第三世界に存在する様々な宗教や民族をめぐる複雑な絡み合いが存在したため、国民の考えが1つにまとまらないことから、先進国のように資本主義的な経済に移行することが難しくなってしまった。
主だった原因
先進国の元植民地などであった発展途上国は植民地時代の名残で自然から得られる農産物や鉱山資源だけを作ることに専念したモノカルチャー経済を行っていた。しかし、世界の経済を仕切る先進国たちが作り上げたIMF-GATT体制などは先進国の利益を中心として考えられた自由貿易体制であったため利益を生んだのはやはり先進国であったため途上国は利益を生むことすらできず貿易すればするほどマイナス利益を繰り返すこととなってしまった。この結果、北半球の先進国と南半球の発展途上国との経済格差が問題視され南北問題となった。
南北問題が生み出す問題
人口爆発 →南半球では機械等の技術不足などもあり労働のための人手が必要なことや、宗教や伝統などで10代での母親なども珍しくはないことから出生率が高くなることなどが原因であると考えられている。
累積債務問題 →貿易などで積み重なった借金が増え続けることで国の予算の多くを債務の返済にあてることになってしまうこと。
食糧問題 →人口爆発によって、国の人口分の食糧が国に十分に無いこと。発展途上国ではモノカルチャー経済の影響で他の国へ輸出するための農作物を作ることが多いため、必然的に自分たちの分の食糧が足りなくなってしまうことが原因であると考えられている。
南南問題
1970年代の2度の石油危機の中で南の発展途上国が、莫大な石油をもとに収入を貯蓄した中東の国々や輸出指向工業化戦略を軸に製造業品の輸出を増やした東アジアの国々と、多数の超貧困層を抱えたアフリカや南アジアの国々と明確に分類された。南南問題はこれまで単に南北の経済的格差を無くそうとしていた世界中の先進国の考えがいかに甘いかを痛感させ、南北問題の最大の焦点が南の最貧国の発展にあるということを世界の先進国に再確認させた。
参考文献
世界史B改訂版 三省堂
明解世界史図説エスカリエ 帝国書院