南北問題16

出典: Jinkawiki

南北問題とは、1960年代に入ってから国際社会において世界的な注目を浴びた。主に国連貿易開発会議(UNCTAD)をはじめGATT、FAO、OECDなどの全世界的あるいは地域的な場において年々注目されている。南北問題は発展途上国の経済開発と貿易に関連する諸問題を指す総称である。UNCTADなどの国際機関を通じ求められている国際協力の必要性がつよく認識されるに至った背景には、発展途上国と先進諸国との間の経済格差、発展途上国と先進国の間に存在する1人当たりの所得水準の格差が拡大しつつあるという事実がある。1974年春の国連資源特別総会が採択した「新国際経済秩序の樹立に関する宣言」では世界人口の70%を占める開発途上国は世界の所得の30%しか占めていないと指摘された。

現在、発展途上の諸国は、国連を中心に国際社会において強い発言権を獲得しつつあり、発展途上の諸国は南北問題に関する限り,一致団結して,かかる国際的な発言権を背景に先進国側に対し,発展途上国経済の発展のために国際経済秩序の変革,具体的にはとくに発展途上国の輸出所得の拡大のための施策の実施,および援助の拡充を要求している。もともと発展途上の諸国は、低い貯蓄率、低い技術水準等の国内的困難のほか、輸出所得の約90%を占める一次産品の輸出は全体として伸び悩んでいる。 この結果、多くの発展途上国は国内経済開発に必要とする諸資材などの輸入が困難となっており,国際収支難の点からも経済開発の遂行が阻まれている。また,先進諸国よりの発展途上国向け資金の流れ(は近年停滞気味であり,発展途上国の債務累積問題は次第に深刻化している。

近年では南北問題の中でも、南南問題が出てきているといわれている。南南問題とは、少しずつ経済成長している発展途上国と、いつ発展するのか、経済発展できるのかすらもわからない発展途上国との間に経済的な格差が生じている問題のことである。この南北問題と南南問題とどのように向き合っていくかが大切になっていくであろう。

参考 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1969/s43-13-1-1-13.htm

http://koumin-study.seesaa.net/article/239452980.html

投稿者 k.s


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成