南北問題17

出典: Jinkawiki

目次

南北問題とは

先進工業国と、発展途上国の間の経済格差の問題のことである。日本、アメリカ、ヨーロッパ諸国などのような先進工業国が主に北半球の中緯度地帯にあり、アフリカ諸国などの発展途上国は南側に多いため、南北問題と言う。

南側の国々が貧しい原因

 発展途上国が貧しいのは、国民の責任や気候、風土による理由ばかりではない。貧しい発展途上国の多くは、先進工業国に植民地として支配されたり、未開発時代に、先進国行国などの外国の資本の進出を受けてきた。その結果、先進工業国向けの原料や食糧の供給地となり、特定の資源や農作物などに偏った生産を強いられてきた。このように、特定の一次産品の生産、輸出に依存する発展途上国に多く見られる経済を、モノカルチャー経済と言う。例として、スリランカの茶や、チリの銅などがあげられる。  一次産品の価格は工業製品に比べて利益が小さいため、発展途上国の経済は不安定で、成長しない原因となっている。先進工業国諸国では、技術革命により、一次産品に代わる原料の開発、国内の農業を保護する政策などを行ったため、発展途上国の輸出は停滞。その結果、経済の自立は達成されず、国際分業体制の中で役割は固定され、貧困が生まれ、南北問題のような経済格差が生まれた。

対策

1960年代周辺から国際社会において南北問題について議論がされるようになった。

OECD ━ 1961年に、ヨーロッパ、北米諸国が中心となり、OECD(経済協力開発機構)が「経済発展途上にある諸地域の経済の健全な拡大に寄与すること」を目的として設立された。

ODA ━ 先進諸国はODA(政府開発援助)で発展途上国を支援。資金援助、技術協力の様々な形で援助している。

UNCTAD ━ 1964年に国連の主導でUNKTAD(国連貿易開発会議)が設立。先進工業国と発展途上国の間の貿易や経済格差など、南北問題を検討するために設立された組織である。

NIEO ━ 1974年に、NIEO(新国際経済秩序)が国連にて採決。NIEOとは、戦後、先進工業国主導で行われてきた世界経済の体制を、南側の諸国にとって、平等となるよう新しい秩序を作ろうとする南側の諸国の要求である。

参考

世界史の窓 南北問題 http://www.y-history.net/appendix/wh1703-001.html

マナペディア 南北問題解消を目的として作られた組織 http://manapedia.jp/text/1315

南北問題について http://koumin-study.seesaa.net/article/239452980.html


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