同性愛

出典: Jinkawiki

目次

同性愛とは

その性的指向が同性にあること、すなわち同性に対して性的感情を抱くこと。 男性が男性を好きになることをゲイ。女性が女性を好きになることをレズビアンと呼ぶ。 性同一性障害とは異なる。性同一性障害については、最近「障害」ではないという意味で用語法が問題視されるようになり、性別違和という言葉が使われるようになった。


日本の同性愛/LGBT/性同一性障害者に関する年表

1873~1882年 改訂律例 成人間男性の同性愛行為に処罰なし。

1920年 「ホモセクシュリティ」の訳語として「同性愛」が定着

1969~1970 ブルーボーイ事件 十分な診察を行わずに性別適合手術を実施した。 医師が優生保護法違反で有罪とされた。

→1997年まで日本では性別適合手術が行えなかった。

1985年 エイズ第1号患者(男性同性愛者)

2003年 性同一性障害者特例法

2012年 電通LGBT調査 LGBTの比率は5.2%

2014年 セクシュアル・ハラスメント指針の改正

2014年 LGBT差別撤廃

2015年 東京都渋谷区「同性パートナーシップ条例」成立  同性カップルに結婚証明書発行

2015年 電通LGBT調査 LGBTの比率は7.6%


同性結婚が認められている国

オランダ

ベルギー

スペイン

ノルウェー

スウェーデン

デンマーク

アイスランド

フランス

イギリス

ポルトガル

スロベニア

ルクセンブルク

グリーンランド

エストニア

アルゼンチン

カナダ

アメリカ合衆国

ウルグアイ

ブラジル

メキシコ(一部で可能)

南アフリカ共和国

ニュージランド


日本の現状

日本の法律では、結婚は男女間に限られていると考えられている。日本国憲法24条には、結婚が「両性の合意」のみにもとづいて成立すると書かれている。この「両性」という言葉は、一般的に一人の男性と一人の女性を指すものと考えられているので、日本では結婚が男女間のものと考えられているものだ。家族や社会保障に関係する他の法律をみても、そこでは夫、妻、父、母といった異性カップルを指す言葉が使われている。婚姻届にも左側に「夫となる人」、右側には「妻となる人」の記入欄があり、「夫となる人」には戸籍上の男性、「妻となる人」には戸籍上の女性しか記入することができない。性同一性障害者特例法でも、性別を変更する条件のひとつに「現に婚姻をしていないこと」が規定されている。 2015年には、一橋大学法科大学院に通う学生(当時25歳)が友人によって、ゲイであることを暴露され、校舎から転落死するという悲惨な事件があった。裁判でわかった経緯としては、以下の通りである。2015年4月に学生Aは当時仲が良かった友人Zに告白した。Zはその告白に対し、「付き合うことはできないけど、これからもよき友達でいてほしい」返事をした。ところが、同年6月にZはクラスの仲のよい友達のLINEグループに「おれもうおまえがゲイであることを隠しておくのムリだ。ごめんA」と書き込んだ。Aはその後、Zを見ると動悸や吐き気が起きるようになり、心療内科に通い始めた。そして8月、授業を途中で抜け出し、「おかしんじゃないか、Zが弁護士になるような法曹界なら、もう自分の理想はこの世界にはない」「これで最後にします」「いままでよくしてくれてありがとうございました」とクラス全体にLINEでメッセージを送ったあと転落死した。この事件をきっかけに近年LGBTの問題はより身近なものとして扱われている。

日本ではなぜ同性愛の改正が進まないのか

世界の様々な国で、同性婚や同性カップルによる養子縁組を認める動きがあるのに対し、日本ではなかなか法改正が進まない。その理由は、1つは憲法改正の難しさからくると言われている。日本国憲法第24条1項は「 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」、2項は「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」と規定されている。この両性の法解釈で意見が割れてしまうという。また、憲法の改正には厳しい条件が存在するので、条文の変更は容易ではない。さらに、第9条に関連していかなる条文の改正を危険視する勢力が存在するため、憲法改正は非常に難しい。


同姓パートナーシップ条例成立

同性カップルを、結婚に相当する関係と認める書類を発行する制度が、2015年11月5日から東京都渋谷区と世田谷区で始まった。渋谷区では全国で初めて成立した「同性パートナーシップ条例」に基づく「パートナーシップ証明書」を発行。世田谷区では、カップルが「パートナーシップ宣誓書」を区長に提出し、区が「受領証」を発行する。 パートナーシップ証明は、法律上の婚姻とは異なるものとして、男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備えた、戸籍上の性別が同じ二者間の社会生活における関係を「パートナーシップ」と定義し、一定の条件を満たした場合にパートナーの関係であることを証明するものである。



参考文献

コトバンク https://kotobank.jp/word/%E5%90%8C%E6%80%A7%E6%84%9B-103769 パートナー法ネット http://partnershiplawjapan.org/japan/ 渋谷区 https://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/oowada/partnership.html

三成美保 編著 同性愛をめぐる歴史と法 尊厳としてのセクシュアリティ

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