名字

出典: Jinkawiki


目次

概要

 意味は、各家に代々伝わる名、姓、家名のこと。「苗字」と表記することもある。

 平安時代に武士などが「名田(みょうでん)」にちなんで、中国から日本に入ってきた「字(あざな)」を作るようになったことが「名字」とされた由来とされている。

 江戸時代に入ると、「苗字」の表記となったが、当時は武士と一部の平民を除いて、名乗ることが許されていなかったとされる。

 1870年、「平民苗字許可令」によって、平民すべてが苗字を名乗ることを許されたのだが、発令当時はまだ名乗る者は少なかった。

 1875年.「平民苗字必称義務令」が政府より発布され、すべての国民が名乗ることを義務づけられた。


日本の名字の数

 日本の名字の数はアメリカ合衆国(約100万以上)に次ぐ世界第2位である。(約29万人)

 ただし、この数は名字の読み方を漢字・読み方ともに区別した場合に限る。 (例、いとう→伊藤、伊東、井藤。 渡部→わたなべ、わたべ。)

 同じ漢字を名字に用いる国においても、中国は約1,000、韓国は約250である。日本の名字の種類が多い理由は、漢字が導入され、表記の方法が多様化したことが挙げられる。同じ音でも、血筋、家系の本流支流、仲間だとかを意識して区別をつけようと、異なった漢字をあてたことが理由の一つであると考えられている。このため、日本人の名字は、いくらでも増える可能性があり、世界でも際立った種類の豊富さにつながったのであるとされている。

 そのほかの理由として、日本人の名字の昔からの捉え方がある。日本人は名字を「家名」と考える意識が強くあり、みだりに変えるものではないという思想が強くあるからだとされている。中国や韓国は、陸続きで絶えず他民族を意識した結果、名字を変えることを拒んだことが根底にあり、同じ名字を持つものは、同じ血統であり、同じ祖先であるという民族意識の表れだとも考えられる。対して、日本は島国であり、大陸ほど他民族を意識することはなかったことが種類の多さにあるのではないかという説がある。


日本の名字の由来

 日本の名字の由来は約9割が地名からきているとされている。 (例、伊東、上杉、寒河江、千葉、成田、播磨、日野、藤原、本郷、毛利、柳川、吉見、等多数。)

 他に考えられる由来として様々な説がある。

・職業型 (例、犬養、鍛冶、服部、矢作、弓削。)

・職掌型 (例、衛門、帯刀、滝口。)

・屋号型 (例、油屋、白木、高田、升屋。)

・事象型  (例、小鳥遊、轟、鳴海。)

・物象型(方向姓)(例、東、南、北側、西、辰巳、辻堂。)

・名前型  (例、源内、為貞。)

・略姓型  (例、宗、追、物。)

・信仰型  (例、神、三輪、釈。)

・合分型  (例、小此木、粂、麿。)

・カバネ型 (例、直、臣、連。)

・芸名型  (例、幸若、善阿弥、錦城斎。)

・複姓型  (例、長曾我部、疋田斎藤、笛川辺。)

・外来型  (例、百済、高麗、秦。三都主(サントス・ブラジル国籍からのサッカー選手)。)


参考文献

日本の苗字7000傑 http://www.myj7000.jp-biz.net/ 

名字の由来 http://office-maeta.jp/office/contents/060828.htm 

at home こだわりアカデミー 苗字を知ればルーツがわかる 丹羽基二  http://www.athome-academy.jp/archive/culture/0000000147_04.html 

苗字分布の研究 http://www5a.biglobe.ne.jp/~myouji/ 

D.N


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成