吸血鬼
出典: Jinkawiki
死して葬られたのち、葬処より起き上がって親族や隣人を襲う死者。生と死の境界を暴力的に侵攻する、まがまがしく肉体的な危険な存在。生きる死者ともいわれる。古くから血液は生命の根源であると考えられており、死者が血を渇望するという考えも古くから存在する。例えばアステカでは人間の心臓と血液を捧げる血の儀式があり、キリスト教では血が神聖視され、古代ギリシアに書かれたオデュッセイアでは、オデュッセウスが降霊の儀式を行う際に生け贄の子羊の新鮮な血を用いるくだりがある。このようなイメージが吸血鬼を生み出したと考えられる。
吸血鬼になりうる人物
①異能者 呪術師・魔女・人狼など。羊膜を被ったり歯をはやして生まれた、大祭日に受胎したというような異常出生のものも含む。
②産死者 わけても洗礼を受けずに死んだ子、水子、死産児、また死産した女性。
③罪人 犯罪者・不徳義漢。自殺者や変死した者。
④異常な様態を示す死者、及び正しい葬儀が行われなかった死者 例として、猫がその上を飛び越える、頬が赤い、硬直しない、目を開けている等。
その行動と退治法
バルカン地方 死後家に帰ってきて妻と共寝し、子供を作る。その子には骨がない、または「吸血鬼」殺す力があると考えられている。この地域では「吸血鬼」胎児が職業化している。そして何年か経つと骨を備えた人間になり、他所へ行って所帯を持つ。 東ドイツを含む西スラブ地方には、墓の中で廃衣や己の肉を食べ、そのことによって生者を死へ引きずり込む死者の話が多い。これは多地域には見えず、北方型である。 退治法としては杭打ちと焼き払いが主なもので、ほかに頭を切り落とす、心臓を抉り出す、俯せにする等の方法がある。
弱点
・日光に弱く、浴びると灰になる。(これはストーカーの吸血鬼ドラキュラの映画版からであり、原著でもその下敷きとなった各地の伝承においても陽光によって灰と化すことはない。単に直射日光の下では超能力が使えなくなるだけである、これは吸血鬼は元来悪霊の類だったからと言われる。)
・銀の武器に弱い。
・敬虔なキリスト教徒だった者は、十字架を見ると自分の罪深さを思い出して自責の念に駆られる。
・大蒜が苦手。(ストーカーの吸血鬼ドラキュラでは大蒜の花の匂いが苦手となっている)
・川など流れる水の上を渡れない。(空を飛んだりボートや橋を使えば可能)
・入ったことのない建物には家人から招かれない限り入れない。
・白木(ホワイトアッシュ)の杭で心臓を貫けば死ぬ。(地域によっては山査子の杭)
参考文献
吸血鬼伝承「いける姿態の民俗学」中央公論新社 平賀英一郎著
吸血鬼幻想 河出書房新社 種村季弘著
[1] 吸血鬼(きゅうけつき)とは【ピクシブ百科事典】
[2] 吸血鬼BIGLOBE百科事典
ハンドル名:奈良