国旗国歌法

出典: Jinkawiki

○国旗国歌法(こっきこっかほう)
 日章旗(日の丸)を国旗、君が代を国歌とすることを定めた法律。正式名称は、「国旗及び国歌に関する法律」。
 日の丸と君が代が長年の慣行によりわが国の国旗と国歌であるとの認識が国民の間に広く定着していることを踏まえ、21世紀を迎えることを一つの契機として、成文法にその根拠を明確に規定することが必要として法制化されたものである。「君が代」の語句の解釈が争点となったが、政府は「君」は日本国および日本国民統合の象徴であり、その地位が主権の存する日本国民の総意に基づく天皇のことをさすとし、「君が代」とは、日本国民の総意に基づき、天皇を日本国および日本国民統合の象徴とするわが国のことであるとしている。法制化にあたり、国旗の掲揚および国歌の斉唱に関し義務づけを行うことは考えておらず、学校における国旗および国歌の指導についても、その方針に変更が生ずるものではないとされている。

○議論
 国旗国歌を擁護する意見は、主に保守派から主張されることが多い。しかし、論者によってニュアンスの違う意見がいくつかあり、明治以来の伝統を重視し、戦後も広く国民の間に親しまれ定着しているという意見などがある。
 国際競技大会での『君が代』演奏の機会があるスポーツ分野から、日本を代表するスポーツ選手と自国への応援として自発的に日章旗(日の丸)が振られ、勝利の感慨の中で『君が代』が歌われる光景は昔と同じである。一方反対の立場からは、スポーツの応援の場での強制でない自主的な行動は国際的にも評価されるものだが、自国への自負心が他国への優越感―「偏狭なナショナリズム」へと行き過ぎる危険もあり、教育現場での義務化は他国のそれへの尊重につながるわけではなく、逆に自国旗・自国歌、ひいては自民族を誇り自分がその一員である事に拠り所を求める民族主義に発展する危険な傾向であるとしている。
 第二次世界大戦後、共産主義者らが中心となり『君が代』を否定した。日本共産党は現在も、天皇・日の丸・君が代を現に存在する物であるとして認めつつも“いずれは国民の合意を以って廃止されるべし”としている。現在では天皇は“国民統合の象徴であると広く国民に認知されている”とされる。

○公立学校と国旗国歌
 東京都日野市の市立小学校の入学式で1999年4月に君が代のピアノ伴奏するようもとめる職務命令を拒否した音楽教師が、それを理由とする戒告処分が違法であり取り消すように東京都教育委員会を訴えた裁判の判決が、2007年2月27日に最高裁第3小法廷で下された。それによると、「校長の職務命令は思想及び良心の自由を保障した憲法19条に違反しない」、その職務命令は「特定の思想を持つことを強制したり、特定の思想の有無を告白することを強要したりするものではなく、児童に一方的な思想を教え込むことを強制することにもならない」とされ、教師側の敗訴が確定した。


参考文献
・フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)「国旗及び国歌に関する法律」
http://seiji.yahoo.co.jp/guide/yougo/seiji/41.html
http://100.yahoo.co.jp/
http://list.room.ne.jp/~lawtext/1999L127.html
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO127.html


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