国策紙芝居
出典: Jinkawiki
国策紙芝居とは戦時中、日本で作成された戦争の正しさ、国民の心構えを啓発し、戦意高揚を目的とする紙芝居である。日本以外にも、台湾、朝鮮に日本語の国策紙芝居を広めた。
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概要
戦争は行うためには国民の支持を必要とする。そのため当時の政府が、日本教育紙芝居協会に対して指示し、戦意高揚のための紙芝居を作成した。全国の子供たちを軍国少年に洗脳する目的で行われた。紙芝居を演じる者は、都市の町内会、農山漁村部落会などの地域の有力者、知識層であった。国の政策を伝えるという目的であったため、演じ手が勝手に台詞を加えることや、脚本の一部を省くことは禁止された。実際の世情や学校教育の影響もあり、ほとんどの子供たちが大きくなったら立派な軍人になって、国に貢献するという考えであった。「フクチャントチョキン」はフクチャンという男児の主人公が軍事費を工面するための国債を買う話である。その他にも「軍神の母」「チョコレートと兵隊」などがある。
国策紙芝居の分類
資料(1)によると、国策紙芝居には細かく分類されている。下記を総称して国策紙芝居とされていた。
・「国策紙芝居」…銃後物語、体力向上、勤倹貯蓄、生活改善、防空知識、傷痍軍人慰問、スパイ防止など
・「国体紙芝居」…国史、歴代天皇、武士道、国旗、日本の自然など
・「教化紙芝居」…日本英雄伝、世界英雄伝、衛生防疫、公民知識、乳幼児愛護、母性保護など
・「ニュース紙芝居」…戦局、国際情勢など
・「文化紙芝居」…日本の産業、満州の産業、各国の資源開発など
・「大陸工作紙芝居」…日支親善、宣撫班の活動などを内容に海外での活用など
戦後での扱われかた
終戦を迎えると国策紙芝居の発行は中止され、ほとんどが処分された。しかし一部は公民館などに保管されていた。国策紙芝居がなくなった後は、平和紙芝居というものも作成された。
参考文献
(1)『紙芝居の歴史』上地ちづ子 著 久山社
『戦争の時代ですよ!―若者たちと見る国策紙芝居の世界』鈴木常勝 著 大修館書店