国連平和維持活動
出典: Jinkawiki
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国連平和維持活動とは
国連平和維持活動(United Nations Peacekeeping Operations:国連PKO)は、国際平和をおびやかす地域的な紛争や事態に対して、国連が一定の軍事組織を現地に駐留させて、平和的に収拾することを目的にした国連の活動のことである。自衛隊の参加については意見が分かれており、平和維持軍(PKF)などへの参加は、凍結されていたが2001年に解除され、自衛隊の参加に道が開かれた。
1948年に最初の国連平和維持活動である国連休戦監視機構(UNTSO)が設立されて以来、合計63件の国連平和維持活動が設立され(そのうち49件が冷戦終結直前期(1988年)以降に設立)、現在、世界において15の国連平和維持活動が展開している。
国連平和維持活動に対しては、1988年にノーベル平和賞が授与されている。
業務内容
・選挙の監視
・警察、行政事務に関する助言や指導
・医療、被災民の救援
・被災地の復旧作業
自衛隊のみが担当する業務
・対立する各派の武装解除などの平和維持軍(PKF)
・緩衝地帯の駐留、巡視などの停戦監視
・放棄された武器(地雷など)の収集、保管、処分
国連平和維持活動が不可欠な理由
最近の歴史は、いかに短期間に、一国内の内戦が近隣諸国を不安定化し、戦乱を地域全体に広げるかを示している。ある地域に勃発した争いは、多くの場合、武器の不法な売買、テロリズム、薬物の密売、難民の流出・流入、紛争地帯から遠く離れていると感じられた場所の環境の破壊など、様々な問題を生み出す。こうした世界的な問題に対処するには、国際的な協力が必要だ。だからこそ、半世紀に及ぶ経験を積んできた国連の平和維持活動が不可欠の道具なのである。185(1999年9月14日、総会がキリバス共和国、ナウル共和国、トンガ王国の3カ国の加盟を全会一致で承認し、これにより、国連加盟国は、188カ国となった。)の加盟国をもつ世界的な組織のために行動しているという特性から引き出される合法性と普通性は、他に例がない。
国連平和維持活動が配置される国にとって、その合法性と普遍性は、
・他の形での外国の介入がもたらす可能性のある、国の主権に対する影響を小さくする
・他の形では不可能であることかもしれない紛争当事者間の話し合いを促進することができる
・他の形では顧みられないかもしれない紛争とその影響とに注目を集めることができる
より大きな広い国際社会にとって、国連平和維持活動は、
・国際的な努力の集結点となり、国際社会が一丸となって平和を求めていることを当事者に示し、紛争を拡大する可能性のある同盟および反同盟の拡大を制限することができる
・紛争を抑制および解決する行動の負担を共有する手段を多くの国に提供し、その結果、人的、財政的、政治的な意味での効率を高める
日本のPKO
日本がはじめて国連平和維持活動に参加した国がカンボジアである。1992年9月から1年間、国連ボランティアや警察官、自衛隊員など1300名以上の日本人が、カンボジア復興に向けて、選挙監視や物質援助、道路や橋の整備などを行った。
国連平和維持活動への我が国の協力
1992(平成4)年 アンゴラ国際平和協力業務
1992(平成4)年~1993(平成5)年 カンボジア国際平和協力業務
1993(平成5)年~1995(平成7)年 モザンビーク国際平和協力業務
1994(平成6)年 エルサルバドル国際平和協力業務
1996(平成8)年~現在 ゴラン高原国際平和協力業務
1999(平成11)年 東ティモール国際平和協力業務
2002(平成14)年~2004(平成16)年 東ティモール国際平和協力業務
2007(平成19)年 東ティモール国際平和協力業務
2007(平成19)年~現在 ネパール国際平和協力業務
2008(平成20)年~現在 スーダン国際平和協力業務
参考文献
守屋美佐雄『中学生の公民』帝国書院、2008
星沢哲也『ビジュアル公民2008』東京法令出版