国際理解教育
出典: Jinkawiki
概要
相互の友好や恩恵の観点での国際間の理解を深めていくこと。 戦争、貧困、開発、差別、環境あらゆる世界・地球規模の課題に貢献することを目指した教育活動。世界の現状に関する知識を得て、課題に気づいたり考えたりする。そして自分にできることを実行するといった、課題解決・参加体験を通じた教育である。
背景
1889年、第1回世界平和会議が国際間の誤差を助長した教科書の検討が議決したことが、国際理解教育の始まりである。 1921年、国際連盟の外局の知的協力国際委員会が教科書の比較研究や教育実験の援助を試みた。 1974年、第1次・第2次世界大戦での反省を踏まえ、ユネスコは『国際理解・国際協力及び国際平和のための教育、並びに人権及び基本的自由についての教育に関する勧告』を行った。
勧告では、①すべての段階および形態の教育に国際的側面と世界的視点を持たせる。②自国を含むすべての民族と文化、文明、価値および生活様式に対する理解と尊重。③世界的相互依存関係の増大への認識④他の人々との交信能力⑤個人、社会集団および国家権力と義務の認識⑥国際的連携および協力についての理解⑦自分の属する社会、国家および世界の諸問題の解決に参加する用意。か強調された。
これらを基に、教科書の検討や改善、国際文化・諸国民との交流や情報的活動が進められた。日本の学校においては、社会科や歴史、地理、道徳、特別活動など、どの分野でも推進されるべきものとした。知識理解にとどまらず、体験的な学習や課題学習などを十分に取り入れ、実践的な態度や資質、能力を育てる必要性があるとし、総合的な教育活動であることから、総合的な学習の時間を活用した取り組みが考えられている。 マスコミを通じ、さらなる外国人との親善の機会と充実を図るなど、積極的に取り上がられている。
具体的な取り組みとねらい
・知る
身の回りの物や文化がどの国や地域から来ているか等といった調べ学習、外国に出かける、留学、外国人講師との交流等活動を行う。異なる文化や生活習慣、独自の宗教・価値観・共通点を知る。
・深める
世界の多種多様な在り方を知った上で、違いを理解あるいは共感・尊重し、偏見や差別のない「共生の理念」を養う。自分や自国だけの偏った考え方、価値観の押しつけは、争いや戦争を招いてしまう恐れにあることを理解する。
地球上における様々な課題に気づく。また、課題の解決に手掛ける人々から、世界貢献・喜びや苦労をを学ぶ。
・自分にできることを実行する
貧しい地域への募金活動・インターンシップへ参加したり、活動や学習を通じて意見を述べ合ったりする。 どんな環境でも自分を見失わず、柔軟に対応できる力を養う。対応には、異文化と共生できる資質や能力、自己の確立、コミュニケーション能力の育成していく視点も必要だとしている。
参考文献
ブリタニカ国際大百科事典 (ブリタニカ・ジャパン)
文部科学省 国際地理解の現状について http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/026/shiryou/04102501/001/001.htm
SIA国際理解教育 サポートページ http://www.os.rim.or.jp/~sia/kokusairikai/kokusai_01.html
(sarasa)