国際連合
出典: Jinkawiki
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国際連合の歴史
・国際連盟
国際連盟は、第一次世界大戦終了後に、初の世界大戦の反省からつくられた国際的な組織である。アメリカのウィルソン大統領の提案で1920年につくられたが、議会の反対でアメリカは加盟できなかった。国際連盟の事務局はスイスのジュネーブに置かれ、日本、イギリス、フランス、イタリアの4か国を常任理事国としてスタートした。その後ドイツも加盟し常任理事国となる。国際連盟は、戦争を防止するための話し合いの場になるはずだったが、アメリカが加盟していなかったことや、決定は総会の全会一致が原則など、運用上の問題が残った。
・国際連合
第二次世界大戦後、その反省をもとに1945年10月24日に国際連合は正式に発足した。国際連合は、ニューヨークに本部が置かれている。機構としては、国際連盟の失敗の反省から、安全保障理事会に大国が加盟してその力を大幅に強化し、武力統裁もできるようにした(紛争解決のために国連軍を派遣することができる)。国際連合は、WHO(世界保健機関)やILO(国際労働機関)など多数の国際組織を抱える一大国際組織である。
国際連合のしくみ
国連憲章
国際連合のルールは国連憲章である。国連の目的から機関まで、すべて国連憲章に書かれている。国連憲章の前文は冒頭で「われら一生のうちに二度まで、言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救うために国連を創設する」とうたっている。
目的
国際連合は、①国際の平和と安全を維持、②諸国間の友好関係の発展、③あらゆる差別をなくすための国際協力、などを目的としている。
主要機関
国連には6つの主要機関がある(総会・安全保障理事会・経済社会理事会・信託統治理事会・国際司法裁判所・事務局)。その他、国連と関連して、14の専門機関が存在している。専門機関は、保健、農業、郵政、気象など、さまざまな分野で活動している。
・総会
全加盟国で構成され、国際連合の関与するすべての問題を討議する。各国が1票の表決権を持ち、重要問題については3分の2、一般問題については過半数で決する多数決制がとられている。ただし、総会での決議は加盟国または安全保障理事会に対する勧告までの効力を有するのみで、強制力・拘束力を持たない。
・安全保障理事会
安全保障理事会は、常任理事国5か国と非常任理事国10か国とから構成されている。常任理事国はアメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスの5か国で、拒否権を持つ。(拒否権とは安全保障理事会の決定でも、常任理事国が1か国でも反対すれば可決されないという権利である。)非常任理事国は2年に1度の選挙で選ばれる。
・国際裁判所
国際連合は、オランダのハーグに2つの主な国際裁判所を持っている。1つは、国連の付属機関として国と国との紛争処理をする裁判所で、国際司法裁判所という。もう1つは、国際刑事裁判所である。
加盟
日本は1956年12月18日、80番目に国連に加盟した。第二次世界大戦終結から6年後の1951年、日本はサンフランシスコ講和会議で平和条約に調印、翌52年に同条約が発効し、独立を回復した。そして1956年10月の日ソ共同宣言調印から2ヶ月後に国連加盟を実現した。国際連盟脱退から20年余を経て、日本は国際社会の復帰を果たした。
公用語
国際連合の公用語は、常任理事国の言語である英語、フランス語、ロシア語、中国語と、その他世界で広く用いられているスペイン語、アラビア語の6言語である。
参考
林雄介 著 「図解雑学 よくわかる政治のしくみ」 ナツメ社
吉田康彦 「図解 国連のしくみ“巨大組織”の神話と現実」 日本実業出版社
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%A3%E5%90%88