土壌浸食
出典: Jinkawiki
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土壌浸食とは
土壌浸食とは、土壌が降雨,融雪,融氷,流水または風の作用によって,地表から流亡もしくは飛散して土地が荒廃する現象である。水の作用に起因するものを水食,風の作用によるものを風食という。土壌浸食が風化の過程と均衡を保ち緩慢に進行するものを正常浸食,地質浸食,自然浸食などという。
他方,人間による誤った土地利用の結果,風雨の作用を直接受けるようになり,加速度的に浸食が進行してゆく場合を加速浸食という。水食はおもに降雨によって起こり,日本のように傾斜地が多く,多雨気候の所では水食を受けやすい。
土壌浸食の要因
土壌浸食は、以下のような要因の連鎖によって引き起こされる場合が多い。
(1)森林の「根」が土壌を支え、水分を保持した土地が森林伐採などにより土壌の保持力を失う。
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(2)森林を伐採し、土壌の保持力を喪失した土地で「農業」を行うと土壌の栄養分が失われ、土壌がバサバサになる。(土壌が壊れやすくなる)
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(3)壊れやすくなってしまった土壌に、「大雨」が降ると地面を水が流れ、土壌が運び去られる。
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(4)土壌浸食につながる
土壌浸食の結果
食物生産量の落ち込み、水質悪化、生態系の破壊が起こる。土地に樹木がないということは、大気中の二酸化炭素が増加するということにもつながる。
土壌浸食と農業
土壌浸食により、作物の生産力の高い土が失われると、農業生産力が低下し、耕作不適地となる。
土壌浸食を引き起こす原因の一つに、熱帯の開発途上国で多くみられる「焼畑農業」がある。
森林が十分回復しないうちに焼畑農業を繰り返すことによって地面が露出し、土壌が栄養分や水分を失いバサバサの状態になり、洪水や強風などによって流され、吹き飛ばされて行く。
FAO(国連食糧農業機関)のアフリカでの土壌調査によれば、表土の厚さが1mm減るごとに、農業生産力は2~5%減少することがわかった。
しかしアフリカのほとんどの国で土壌浸食を食い止める対策は行われていない。
また、中央アジアのカザフスタンでは、自然林を大規模に伐採して小麦生産地につくりかえる計画が進められ、1980年には穀物の作付面積は2600万ヘクタールまで広がった。
しかし、それに伴い大規模な土壌浸食が起り、穀物作付面積は、1990年に2300万ヘクタール、2001年には1300万ヘクタールに減少した。
土壌浸食は、一旦引き起こされるとその土地での回復は困難であり、あらかじめ土壌侵食を起こさない農業生産方法を確立し、それを行う以外に対策はない。
〈対策〉
農業者たちは耕地保護・天然樹の植林などによって土壌浸食を防ぐことが可能である。有機農業を支えるために消費者のできることは、無農薬野菜を買うこだ。
土壌かく乱や圧縮を減らすために保護耕作技術を利用することにより、土壌圧縮を制限するために圧縮率を減少させることにより、土壌資源を保護することがでる。けれども、最も良い方法は土壌はできるだけ野菜を育てるために使うべきだ。収穫の後に適切な穀物取り除き、自然の木や植物と共に農場を野菜化することによって、穀物のローテーションの中に牧草を含むことによって達成できる。
参考文献
IZM