埴輪
出典: Jinkawiki
古墳時代に古墳上に並べられた素焼きの焼き物。全国各地に分布。
3世紀後半から6世紀後半にかけて作られ前方後円墳と共に消えた。畿内では赤以外の彩色はほとんどなかったが、関東では色々な色を用いて彩色されている。大きく分けて円筒埴輪と形象埴輪の二つがあり、さらに形象埴輪を分けると家形埴輪、器財埴輪、動物埴輪、人物埴輪の四つとなる。当時の衣服や建築などを知るうえで重要。また土で作られたものが代表的に扱われるが、木製のものも出土している。
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起源
起源は弥生時代後期の弥生墳丘墓から出土する特殊器台・特殊壺であるといわれる。3世紀半ばから後期では、前方後円墳から最古の円筒埴輪が出土した。
変遷
古墳時代前期初頭では、円筒形やつぼ型の円筒埴輪、前期前葉では家形埴輪や器財埴輪など形象埴輪、古墳時代中期中葉では巫女など人物埴輪や馬など動物埴輪が登場している。
6世紀中ごろ、前方後円墳が衰退した畿内では埴輪も作られなくなったが、関東ではまだ前方後円墳・埴輪ともに盛んに作られていた。
意義
吉備地方で作られるようになった特殊器台形・特殊壺形の埴輪は、墓上で行われた葬送儀礼に使われたものであるが、その後作られるようになった円筒埴輪は、墳丘や重要な区画を囲い込んでいることから、聖域を区画するという役割を有していたと考えられている。
家形埴輪は、霊が生活するための依代説、死者が生前に住んでいた家を表しているという説がある。死者の埋葬されている部分の真上やその周辺の墳丘上に置かれることが多い。
器財埴輪は、蓋は高い身分をあらわすもであることから、蓋形埴輪もその身分をあらわしていると考えられている。盾などの武具・武器形のものは、盾などが防御や攻撃といった役割を持っていることから、悪霊の侵入を防ぐ役割を持っていると考えられている。
人物埴輪や動物埴輪は、行列やまとめて並べられており、葬送儀礼を表現したとする説、生前の祭政の様子を再現したとする説などが唱えられている。
埴輪は当初、古墳に葬られる人物の生前の様子やその権威を示すもの(家形・器財)、死者の霊に対しての捧げものでしたが、5世紀以降は、葬儀の様子などを表すもの(人物・動物)へと性格が変化していったと考えられている。