埼玉都民
出典: Jinkawiki
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概要
埼玉県は東京近郊のベットタウンとして知られている。高度経済成長期(1954~1973年)に全国から仕事を求めて首都圏に出てきた勤労者の居住地として、人口過密状態の東京を避けた若いサラリーマン世帯が、都心への通勤圏内である埼玉に住居を求め、こぞって人々が移ってきた。そのため、団地やニュータウンが急速に開発され、草加市にある松原団地に代表されるようなマンモス団地に住居を構えた。昭和40年代には人口が180万人増加。その後も人口は増え続け、戦後70年間では3.4倍に膨らんだ。 その時、特に県南部には職場や学校は東京で家は埼玉という「埼玉都民」が大量に生まれ、現在も毎日約100万人が東京へと通勤通学している。 また、鉄道網はJR各線、西武線(新宿線・池袋線)、東武線(東上線・伊勢崎線)、つくばエクスプレスに埼玉高速鉄道など、埼玉のほとんどの路線は東京と埼玉を繋ぐ縦の路線が充実している。なので、「とにかく通勤通学のために東京へ」という路線ばかりで、埼玉都民が増えるような環境が埼玉県にある。
埼玉に暮らす理由
埼玉都民は「通勤に便利だから」、「東京よりも住宅費が安いから」などの理由で住んでいて、「埼玉が好き」という情緒的な理由ではなく、「埼玉が便利」という経済合理性で選んでいる。また、「埼玉の良いところ」として、「繁華街が少ないおかげで、治安は悪くない」、「海がないおかげで、津波は来ない」、「川は多いけど、水害は少ない」など、「○○がある」からという加点要素ではなく、「○○がない」という減点要素の少なさで埼玉を選んでいる傾向がある。
埼玉都民の人口の変化
埼玉県から東京都内に通勤・通学する「埼玉都民」の数は2015年10月時点で、93万人に達していた。5年前に比べ1万人減ったことが県のまとめで分かっている。県外への通勤・通学者の総数は少し増加して、東京以外に分散した結果となっている。県統計課は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の開通などにより、「交通の利便性が高まったことで、多様化しているのではないか」と分析している。 15歳以上の県外への通勤・通学者数は106万人で、6500人増えた。このうち、東京都に通勤・通学する「埼玉都民」は93万人と87.2%を占めている。2010年10月時点の前回調査の94万人から減少したが、神奈川県から都内へ通勤・通学する「神奈川都民」の105万人に次いで多い。そのうち就業者は83万5000人、通学者は9万5000人だった。いずれも10年と比べ5000人減少している。 埼玉都民は1995年の115万人がピークでそこから減少傾向となっている。また、高齢化が進むことで、15~64歳の生産年齢人口の減少が影響している。
参考文献
・日本経済新聞「「埼玉都民」5年で1万人減 2015年時点で93万人」 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO18840360T10C17A7L72000/
・埼玉は何もない!?いや、ある!?徹底討論会! http://soudasaitama.com/information/5332.html
・「埼玉の逆襲」(2016)谷村昌平 言視舎
ハンドルネーム みっつ