外国人労働者3
出典: Jinkawiki
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受け入れのあり方
国際競争の激化に伴い、IT 技術者などの専門的・技術的労働者に対するニーズが世界的に高まったため、欧米諸国では、高度な技術・知識を有する人材の受け入れ促進のための制度改正を行うなど、積極的な受け入れ政策を展開している。日本では現在、就労目的の在留資格として14種類の専門的・技術的分野を設けて、外国人労働者を受け入れている。政府は、専門的・技術的分野の外国人労働者については、経済社会の活性化や一層の国際化を図る観点から、その受け入れに積極的であり、受け入れ人数に数量制限を設けていないにもかかわらず、当該分野における受け入れ人数は約10万人(2001年現在。「興行」「技能」を除く)にとどまっており、高度人材外国人労働者の確保に関して欧米諸国に大きく遅れをとっている。 この大競争時代を勝ち抜くためには、わが国における人材育成対策をさらに充実するとともに、高度人材外国人労働者の受け入れについては、これまでの発想を大転換し、受け入れを大幅に拡大すべきであり、中小企業といえども、優秀な外国人労働者を活用して製品やサービスの高付加価値化を図ることが必要である。 そのため、高度な技術・知識を有する外国人労働者の受け入れ促進に向け、資格の相互認証の積極的拡大、在留資格認定要件の緩和、社会保障協定の締結促進、医療保険制度の見直し、留学生に対する支援の拡充、労働・住環境の整備等を推進すべきである。
メリット・デメリット
外国人労働者を受け入れることのメリットとして、賃金が安いため日本にとっては助かる・外国から期待されている・日本が受け入れることによってある程度は失業者の緩和に役立つ・国際的な役割を果たす・外国を日本経済の一環として組み込むことになるので日本の安全保障に有効である・異文化の人々を受け入れることで日本人も良い刺激を受けるなどが挙げられる。
またデメリットとして、不法入国者の問題・犯罪が増える・自国の労働者の賃金を下げる原因になる・職場内で外国人労働者だけの集団ができてしまう・語学能力の問題・不景気になったら失業者増加の原因になる・民族差別の問題・日本人の職に就けない人の増加・賃金が安いため生活に苦しむ外国人が増える・などといったことが挙げられる。
少子高齢化、経済グローバル化時代における外国人労働者の受け入れのあり方について http://www.jcci.or.jp/nissyo/iken/030917gaikokujinroudousya.htm
研修生が不当な扱いを訴えることができない理由
なぜ外国人労働者の研修生は不当な扱いを受けてもそれを訴えることができないのか。それは、研修生として海外で働くためにはお金がかかるからだ。まず、日本に入国する前に渡航費、事前研修費、手数料、保証金や家の権利書などの出費がある。研修に行く者は皆、借金しなければこれらにお金を払うことができないという経済状況にいる。保証金に関しては、帰国するまで返却されることはない。日本で何か問題行動を起こせば、それらは全て没収されてしまう。そのような状況下に彼らは束縛されながら働かなければならない。もし労働環境などに不満があっても、それについて異議を申し立てれば強制的に帰国されてしまう可能性もある。そうなったら、保証金が返って来なくなることがほぼ確実になるだけでなく、実習を終えずに帰国することになれば借金すら返すことができなくなってしまうのだ。そのような理由があり、現在でも十八万人の実習生や研修生が不当な扱いを受けても抵抗できずにいるのである。
外国人労働者の諸問題に対する解決法
ILOの外国人労働者、移民労働者に対する条約が、今後の日本にとって重要になってくるだろう。これは具体的に言えば、外国人労働者への施設の無償提供、正確な情報を流し受け入れのために適切な措置をすること、衛生状態や健康状態を良くすること、平等に扱うこと、稼いだお金の送金について便宜をはかることなどだ。また、差別待遇禁止条約では、人種や皮膚の色や出身による差別を禁止し、それによって職場での待遇や機会の平等などを侵すことをしないように国内で努めようとするものである。 現在日本はこの条約に未批准であるが、ILOが唱えているような労働と社会法関係法の整備が今必要とされていると言えよう。
参考文献
・『<研修生>という名の奴隷労働――外国人労働者問題とこれからの日本』 「外国人労働者問題とこれからの日本」編集委員会 2009年発行 花伝社 p.34-35 ・『外国人労働者』 手塚和彰 1989年発行 日本経済新聞社 p.258,259
H.N:C.K.