大麻
出典: Jinkawiki
大麻
大麻（たいま）ないしマリファナは、アサの花・茎・葉を乾燥させ、細かく切り刻み、調理または燃やすなどして発生した煙を吸引して使用する薬理作用のある植物であり、嗜好品や医療薬として用いられている。 マリファナはメキシコ・スペイン語で「安い煙草」を意味する。これは大麻の繁殖力が強く、野草として自生していたために安価に手に入ったことからメキシコでこの呼称が一般的になり、これがアメリカへと伝わって世界中にマリファナという呼称が定着した。 大麻とはクワ科の一年草で中央アジア原産の植物で、古代から繊維用として栽培されてきた。この植物にはＴＨＣという成分が含まれており、葉などをあぶってその煙りを吸うと酩酊感、陶酔感、幻覚作用などがもたらされる。現在では世界のほとんどで麻薬として規制され、所持しているだけでも死刑や無期懲役となる場合もある。 大麻を乱用すると気管支や喉を痛めるほか、免疫力の低下や白血球の減少などの深刻な症状も報告されている。また「大麻精神病」と呼ばれる独特の妄想や異常行動、思考力低下などを引き起こし普通の社会生活を送れなくなるだけではなく犯罪の原因となる場合もある。 大麻（cannabis、カンナビス）を使用すると短時間の記憶力や理解力が低下したり時間感覚に変調を来したり、車の運転などのように、身体各器官の調整や神経の集中を要求するような仕事を行う能力が低下する。研究結果によると、学生が（大麻で）「ハイな状態」（恍惚状態）になっているときには、知識を記憶できていない。動因（motivation。心理学用語で欲求の満足や目標の達成に向けられる行動を抑制する力の総称）や認識に異常を来たし、新たな知識の吸収を困難にする。大麻も偏執病等の精神病を引き起こすことがある。 乱用者は再三にわたり、濾過していない大麻の煙を吸い込み、そのうえ出来るかぎり我慢して息を止めておこうとするので（こうすることで大麻成分をなるべく多く肺から吸収しようとする）、肺などの呼吸器官に障害をもたらす。大麻の煙の中には、発癌性物質が普通のタバコより多く含まれている。 大麻の煙に直接接触している部位以外の場所にも様々な危険が存在している。心拍数は50％も増加し、これが原因となって脳細胞相互の伝達に重要な役割を持つ小さな髪の毛状に長く伸びた脳細胞の細胞膜を傷つけるため、脳障害が発生する。更に有毒成分はその他の脳細胞にも蓄積される。長期間の乱用では再生不良性の脳障害を生じることがある。また免疫性も著しく低下し、人格や性格の変化もみられる。重度の乱用者にあっては、偏執病的思考を示し、労働の生産性、学業の成績、運転能力も低下する。 マリファナは、生殖能力にも障害を生じさせるため、遺伝子の異常や突然変異をもたらす。男性ではテストステロン（性ホルモン）を44％も低下させる。また女性では生殖細胞に異常を生じる。（大麻の有害成分は）胎盤関門（母胎血液と胎児血液の間に胎盤膜によって形成されている半透過関門）をも通過して胎児にも影響を及ぼすので、胎児の大麻中毒や流産、死産の原因にもなる。大麻成分のすべてが解明されるまでは、危険性そのものもまだまだ測り知れない。
大麻の主要成分であるTHCは、脳の線条体のドーパミンの分泌を増加させるので統合失調症のリスクを高めると言われてきたが、神経画像ジャーナルに掲載された研究では、実際にはドーパミンが増えないことが示された。 この研究は、イギリスのインペリアル・カレッジMRC臨床科学センターのチームが、レクレーショナル用途の大麻経験のある１３人の健常者を対象に行ったもので、THC１０mgとプラセボを経口投与して、線条体ドーパミン・レベルを [11C]-ラクロプリドPET画像を使って測定して比較した。 その結果、THCを投与された被験者では精神症に似た症状が顕著に増えることが確かめられたが、[11C]-ラクロプリドに対するTHCの影響には目立った変化は起こらなかった。 この結果から、経口THC群のドーパミンの量は、プラセボ対照群と変わらないことが明らかとなった。 これまでは、動物実験によって線条体のドーパミンが増えること示した実験を根拠に、大麻による線条体ドーパミンの増加が統合失調症のリスク・ファクターとなるとするモデルが広く信じられてきたが、今回の研究で、人間では必ずしも成り立たっていないことが示された。
大麻の原料
今日のマリファナは、10～20年前のマリファナに比較して、一段と危険性を増したものとなっている。第一に過去、マリファナに関して実施された研究が、この物質は恐らく無害であり、アルコールやタバコに比べても健康に与える危害が少ないであろう、といった印象を人々に与えてしまったこと。第二に一口にマリファナと言っても、10年前のそれに比べて、今日のマリファナは極めて強力なものになっている。10年目のマリファナは僅か1％かそれ以下のTHC（原注：delta-9tetorahydrocannabinol、デルタ・ナイン・テトラヒドロカンナビノール）しか含まれていなかったが、現在のマリファナでは4～７％又はそれ以上ものTHCが入っている。 マリファナには1,500を上回る物質が含まれていると言われている。この内500以上の物質は既に特定されているが、大麻以外には、自然界に何処にも存在しないことが判明している物質であるTHCこそ、精神作用に重大な影響を与える元凶であると考えられている。 THCは体内の脂肪組織や脳細胞の中に一ヶ月もの間止まることがある。従って、ある人が仮に週に一本の割合で大麻タバコを吸ったとすると、それだけでその人は最早常時THCに曝され続けることになる計算される。また、（大麻タバコの煙を）胸の奥まで吸い込んだりすると肺に障害が発生することも知られている。一週間に5本の大麻タバコを吸うことは、一日16本の普通のタバコを吸うのに等しいとも言われている。大麻のタールはタバコより50％も多く含まれているめ、副鼻腔炎（sinusitis）、気管支炎（bronchitis）、肺気腫（emphysema）などの原因となる。
大麻取締法（抄）
第一章 総則 第一条 この法律で「大麻」とは、大麻草（カンナビス・サティバ・エル）及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品（樹脂を除く。）並びに大麻草の種子及びその製品を除く。 第三条 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。 2 この法律の規定により大麻を所持することができる者は、大麻をその所持する目的以外の目的に使用してはならない。
第四条 何人も次に掲げる行為をしてはならない。 一 大麻を輸入し、又は輸出すること（大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。）。 二 大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること。 三 大麻から製造された医薬品の施用を受けること。
参考文献
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%BA%BB
Wikipedia
http://www.dapc.or.jp/data/taima/1.htm
大麻 ダメ・絶対
大麻取締法変革センター
akko
