天照大神

出典: Jinkawiki

天照大神

これには様々な説があるが、いくつかを扱う。

目次

天の岩屋戸

  日本神話にみえる神話上の場所であり、天照大神(あまてらすおおかみ)が高天原(たかまがはら)での素戔嗚尊(すさのおのみこと)の乱行にたまりかね天の岩屋戸にこもると世は常闇(とこやみ)となった。神々は集まって評議し,中臣(なかとみ)氏の祖天児屋命(あめのこやねのみこと),忌部(いんべ)氏の祖太玉命(ふとたまのみこと)などに祭りを行 わせた。

天鈿女命

  神事の際,頭に挿す枝葉をうずといい,ウズメとはこれを挿した女,巫女の意であろう。この神は,天(あま)の岩屋戸の神話で,伏せた槽(おけ)の上でそれを踏み鳴らし つつ性 器もあらわにかみがかりして舞い狂い,天照大神(あまてらすおおかみ)を岩屋戸から引き出すことに成功した。この狂態はシャーマンのものであった。

天御中主神

  アメノミナカヌシノカミはこの天皇大帝の観念の借用であり翻訳であった。この神は,古事記の神話のなかで,民間の太陽信仰を統括かつ祖神化した皇室の天照大神(あまてらすおお かみ)によって,尊厳を具体化され,神話の根幹は,天御中主神から天照大神,天神御子,初代天皇という展開をたどって,王権神話を完成する。日本の支配者が,7世紀より天皇号 を使用してその権威を超絶したものとし,ついで,道教で宇宙最高神の権威の象徴であった,鏡,剣を皇位の璽(しるし)とし,日本書紀にいたって,国号を,道教でいう天上の清明 な世界である大和と書くにいたる,一連の中国の観念を借りての国家および王権の尊厳化の試みも,この神の成立と関連する。

伊勢神道

  この倭姫命世記(やまとひめのみことせいき)や造伊勢二所太神宮宝基本記などが,後世で神道五部書とよばれるものだが,ここに,神宮の古伝承をもとに,さらに外宮の神 徳の  種々を掲げた典籍を根拠として,いわゆる伊勢神道の教説が唱えられるようになった。 その主張する点を見ると,まず外宮の祭神御饌都神は,古事記や日本書紀にみえる,あめのみ なかぬしのかみや国常立神(くにとこたちのかみ)と同神であり,この神が天地開闢(かいびやく)にあたり天照大神と幽契を結んで永く天下を治めることにしたのだとして,天照大 神の権威を世界観の上から基礎づけようとしている。ついで,外宮の神は水徳をつかさどり,内宮の火徳と両々あいまって人々の生活を発展させるものだが,前者はとくに万物を養い 育てるの徳があるとして,食物神から生産神へと発展させて説いた。

保食神

  ウケは食物,モチは『保』の文字によると持ちの意であるが,本来は貴(むち)の意だという説も。日本書紀の神代の条の神話では,天照大神(あまてらすおおかみ)の命(めい)に より月読尊(つくよみのみこと)がウケモチノカミのもとに行くと,ウケモチが口から飯,魚,獣を出して供応したので,ツクヨミはその行為を汚いと怒り,剣を抜いてウケモチを殺 し,アマテラスに報告した。すると,アマテラスは激怒してツクヨミとは二度と会うまいと言い,それで日と月とは一日一夜を隔てて住むのだと説明し,さらにウケモチの死体の各部 分から,牛馬(頭),粟(額),蚕(眉),稗(ひえ)(目),稲(腹),麦・大豆(陰部)ができたという五穀の起源説話を載せる。

==鏡== 

鏡が神の依代(よりしろ)となり神体とされ,宗教的に取り扱われるわけもここにあり,日本において神璽や神剣とともに三種の神器と称して神聖視されたいわれもまたここにある。 すでに,日本書紀では神代記事に天照大神(あまてらすおおかみ)が天の岩屋戸にさしこもり,世の中が暗やみとなったとき,思兼(おもいかね)神によって石凝姥命の作った鏡を  岩屋戸にさし入れて天照大神の出現を祈った。鏡はその人の真影を映すので,天照大神は孫瓊瓊杵(ににぎ)尊を大八洲国(おおやしまぐに)につかわすときにこの鏡を渡して,もっ ぱらわが魂としてわが前にいつくがごとくいつきまつれと勅した。

黒住教

  72年に黒住講社として政府から認可され,76年に神道修成派とともに教派神道として別派独立を許可されて神道黒住派と称し,82年に神道黒住教と改称。教義は,教祖黒住宗忠の天 命直授(じきじゆ)をふまえたもので,天照大神を万物の根源となし,人間はその分身で,神人不二(ふに)とする。その神観は天照大神を宇宙の最高神となし,人間は天照大神にす べてをまかせることで,家内,一門,国家の平安繁栄を得られるとし,現実のいっさいの矛盾や苦悩を心の持ち方で変えることで克服し,解消できるとなし,毎日を陽気に暮らすこと が肝要であると説いた。

このように地域は異なってはいるけれども、類似点がある。

==参考文献== 伊藤聡著『天照大神信仰の研究』(2011)法蔵館

投稿者 m.y


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