太陽光発電2

出典: Jinkawiki

目次

太陽光発電とは

 光がもつエネルギーを直接電気エネルギーに変える太陽電池を用いた発電方法。地球表面に届く太陽からの光は、波長が短いほうから、紫外線、可視光線、赤外線に分類される。このうち可視光線は約52%、赤外線が約42%、残りが赤外線である。太陽電池は、可視光線から赤外線領域の光を主に利用して、発電を行っている。  太陽電池は、光を受けることで瞬時に電気を生み出す発電装置だが、太陽電池を構成する物質(半導体)に光を当てると、マイナスの電荷をもつ電子(-)と+の電荷をもつ正孔(ホール)(+)が発生し、超電力が生じる、「光起電力効果」を利用して発電している。「電池」という名称がついているが、蓄電能力は持っていない。  また、2011年度までは国内の全発電量のうち太陽光発電が占める割合は0.5%ほどだったのに対し、2012年7月からスタートしたFIT制度により太陽光を中心に導入が進んだ結果、2016年度には全発電量の4.8%を占めるようになってきていることから、太陽光発電が全国に広まりつつあることがわかる。(自然エネルギー白書2017参考)

太陽電池の種類

 太陽電池にはいくつもの種類があるが、最も多く利用されているのが、結晶系のシリコンである。  太陽光発電境界(JPEA)発表の資料によれば、日本の2010年度の太陽電池の出力ベース総出荷量(国内・海外合計)約254万kWのうち、約215kWが多結晶シリコン及び単結晶シリコンで、全体の85%にのぼる。これに薄型シリコンであるアモルファス(非結晶)を加えると、全体の97%に達する。  太陽電池の重要な性能である変換効率は、単結晶シリコンが20%を超えているのに対し、多結晶はやや劣る数値となる。アモルファスシリコンは結晶系に比べて製造しやすく低コストである一方、最終的な変換効率が結晶系の半分ほどしかなく、初期のものは時間とともに効率が落ちていく光劣化も認められたことから、現在のところ結晶系を上回るほどにはなってないのが現状だ。

ソーラーパネルの構成と設置の条件

  • 構成 

太陽電池の最小ユニットは「セル」と呼ばれる。種類によって大きさは変わるが、屋根の上や大規模太陽光発電で使われているセルは、おおむね10~数十センチ角である。  セルを縦横、並列・直列につないだものが「モジュール」。モジュールは一般に、「ソーラーパネル(太陽光パネル)」という名で知られている。台座単位で数個から数十のモジュールをまとめたものが「アレイ」である。

  • 設置の条件

 発電所を作る際には、日照率などの立地条件とともに、太陽電池の変換効率も問題になる、利用する太陽電池の選択により、発電建設の初期コストと、発電所が最終的にどれだけの出力を持ちうるかが決まってくるからだ。  また、太陽電池の持つ高い変換効率を最大限に利用していくためには、モジュールの設置角度もとても重要である。南中時に太陽電池面にはほぼ垂直に太陽光が当たるように南向きに設置し、日本の緯度では、地面に対して約30度の角度をつけることが推奨されている。  なお、太陽光発電電池は、「熱」が苦手である。温度が上がると効率が落ちてしまう。25℃で最大出力できるように設計された太陽電池の表面温度が70℃までに上がってしまった場合、20~25%も出力が下がることが確認されている。そのため、暑くなったパネルを冷ますほど良い風があって、熱がこもらない場所が、大きな発電施設の適地となるだろう。

太陽光発電のメリット、デメリット

  • メリット

1.エネルギーが無限。枯渇する心配がない。 2.発電時に二酸化炭素の排出がない。 3.稼働したのちはメンテナンスフリーで、人件費がかからない。 4.太陽電池は長寿命。(20~30年、あるいはそれ以上もつ) 5.設置場所を選ばない。(設置の大小で発電効力は変わらない)

  • デメリット

1.日照に左右されるため、出力が不安定。 2.夜間は発電ができない。 3.大出力の発電所建設には、広い土地が必要。 4.発電効率が悪い。 5.太陽電池の製造コストが高いため、設置コストがかかる。 (→低下傾向にあるものの、発電コストがまだ高い。)

参考文献

  • 細川 博昭 (2012) 『知っておきたい自然エネルギーの基礎知識』ソフトバンク クリエイティブ
  • 太陽光発電メリットデメリットnavi 

https://太陽光発電メリットデメリット・.jp/archives/162.html (2019/01/13参照) 

  • 自然エネルギー白書2017 

http://www.isep.or.jp/jsr/2017report/chapter4/4-1#i (2019/1/14参照)

R.M


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