婚活
出典: Jinkawiki
婚活 婚活とは、結婚活動の省略形である。 日本において1990年代に入ってからの規制緩和によって、大学生が良い仕事に就くためには自分で意識的に活動する「就活」(就職活動)をしなければならなくなった。それとほぼ同時に結婚自体も、積極的な結婚活動なしではすることが難しくなってきている。 社会学者の山田昌弘氏によって2007年11月5日号の『AERA』の記事で初めてこの言葉が世に使われた。
【自由化と就職、結婚の変化の表】
就職 結婚
前 [職業選択の自由なし] [配偶者選択の自由なし]
近 親の職業を継ぐ 親による取り決め婚
代 ほぼ全員が職につく ほぼ全員が結婚
1 [規制された就職市場] [規制された結婚市場] 9 ・学校経由の就職斡旋 ・職場と見合いによる斡旋 戦 9 ・就職協定 ・恋愛=結婚という規範 後 9 ・女性制限 ・男性は仕事、女性は家事 年 頃 ほぼ全員(男性)が ほぼ全員が結婚可能 ま 職に就く で
1 [就職の規制緩和] [結婚の規制緩和] 9 ・学校の斡旋縮小 ・男女交際の増大→斡旋縮小 9 ・就職協定なくなる ・恋愛と結婚の分離 9 ・男女雇用機会均等法 ・希望ライフスタイルへの多様化 年 格差拡大 格差拡大 以 (希望通り就職できるほとと、 (希望通り結婚できる人と、 降 フリーターなどへ二極化) 未婚者へ二極化) 就職活動が必要 結婚活動? 就職支援活動の活発化 結婚支援?
・結婚年齢がばらついている中での「晩婚化」
・結婚したくても出来ない「未婚化」
この変化は、ちょうど就活が活発化してきたのと同時期の1975年を節目に起きている。
2005年国勢調査によると、75年時では、50歳で結婚していない人は2~3%だった。
しかし、2005年現在では男性15.4%に増えた。
25~29歳の未婚率も、男性48.3%→71・4%、女性20.9%→59%と晩婚化が進んでいる。
【婚活が必要になった原因】 婚活が必要になったおおきな原因は、、結婚したくてもできない、または結婚にいたりにくい社会になってしまったことだ。 女性側の原因としては、結婚相手に求めるさまざまな条件が厳しすぎ、(年収:自分<旦那2倍)それを満たす男性が少ないこと。 男性側の原因としては、モテる人と、そうでない多くの人という恋愛格差の発生で、前者の一部の男性には女性が殺到するが、交際機会の少ないその他の男性は出会いすらない状態である。 両方に共通する原因としては、ライフスタイルや価値観の多様化にともなって、カップル間でそれをすり合わせられないことがある。「相手の選んだ家具の中では生活できない」とよく例えられる。 また、結婚することのメリットが不透明な時代である。一緒に住むだけなら、結婚しなくても同棲できる。自己実現意識が高くなったため、趣味まで合う人とめぐり合うのは大変だ。
【結婚支援活動について】
かつての「お見合い」に代わる、「結婚情報サービス業」を行う企業が増えている。
そのひとつに結婚相手紹介サービスがある。会員数が全国に銃数万規模と膨大なため、登録をして、毎月何人かを紹介してもらうシステムが一般的だ。費用は2年間で20~30万円くらい。
しかし、男女の比率が極端に偏っていたり、サクラがいるとのうわさがあったり、料金面で巨額な請求を求めてくる悪質な企業もあるなど、苦情の多い業界だ。年間3千件もの相談がある。
そこで、07年に設立された学識者らのNPO法人「日本ライフデザインカウンセラー協会」が、優良事業所には「CMS]というマル適マークを与える事業を開始した。08年12月に初の審査を終え、36都道府県176事業所(全事業所の約4%)にマークを与えた。このマークは、審査料(1回15万7500円)と使用料(月8400円)に支えられているので、公平性が保たれ、顧客にとって信頼できる判断基準になりそうだ。
また今とても盛んなインターネット型のサービスもある。自分で相手を検索し、メールを送るなどしてデートを申し込む、自助努力型のため月額3千円以下とリーズナブル。大手の企業は会員の身元確認をしているので安心感がある。
どの形態のサービスもよく内容を検討して賢く利用することが重要だ。
参考資料 『「婚活」時代』 山田昌弘、白川桃子著 ディスカバー 2008年/ 朝日新聞朝刊 2009年1月21日