守護大名
出典: Jinkawiki
守護大名とは軍事や警察機能だけでなく、経済的機能をも獲得し、一国内に領域的・一円的な支配を強化していった室町時代の守護を表す日本史上の概念のこと。任国内の地頭や国人間の紛争にかかわる裁判や土地の管理などの権限を握るようになり、これをもとに地頭や国人の被官化を進めていった。一方、守護は15世紀初期に至る過程で、伊勢神宮役夫工米・譲位段銭・即位段銭などの臨時税収取権を獲得するとともに、国衙在庁官人を被官化し、国衙領を守護領とするなど、国衙の権能・機構・所領を吸収していった。また、半済や守護請を通じ荘園をも徐々に自己の権力下に組み込んでいったが、しかし全面的に組み込むまでには至らなかった。こうした権力的性格を有する守護大名の任国支配の実態は守護領国制とよばれている。有力な守護大名は赤松・大内・斯波・畠山・細川・山名氏らで、ともに数か国の守護を兼ねたが、なかでも細川氏は9か国、山名氏は11か国を領していた。
こうした守護大名を統御するために、幕府は九州と鎌倉府管轄下の東国以外の守護にはその任国支配を守護代にゆだねさせて在京させ、幕府の官僚に任じたり、それぞれの守護大名家の惣領を幕府が決めたりなどしたが、一方では守護に対して前述のような任国における諸権限を与えねばならなかった。このように幕府・将軍に規制されながら、しかし幕府からの独立性を強める志向をもった相矛盾する要素こそが、守護大名および守護領国制の特徴である。
参考URL
・http://www.seisekiup.net/dictionary/shakai/shi/daimyoh.html
・http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%AE%88%E8%AD%B7%E5%A4%A7%E5%90%8D/
・http://www.asahi-net.or.jp/~ue7t-mto/kisochishiki_daimyou.htm