少子化Ⅱ

出典: Jinkawiki

少子化問題 少子化問題の原因

 少子化問題というと必ず「出生率」という言葉が出てくる。これは、1人の女性が生涯に何人の子供を産むかという割合を数字にしたもの。高度成長期の頃の出生率は3を超えていた。平均1人の女性が3人以上の子供を産んでいたということである。  しかし、2005年には、この出生率が1.26にまで落ち込みました。2012年にはある程度回復しているが、人口が維持できる出生率は2.08であるため日本の人口は減っていく傾向にあるということになる。 現在の日本の人口、およそ1億2000万人だが、2055年には9000万人を下る可能性があるといわれている。

 このように出生率が減少していったのにはいくつかの原因がある。 一つ目は、結婚率の低下である。 生涯未婚率、特に重要な女性の生涯未婚率は、平成2年に5%程度、平成22年に10.6%と、この20年で倍近くになっている。特に、ここ5年での増加も大きい。 「合計特殊出生率」=「結婚する者の割合」×「結婚した夫婦の子供の数」 であるため 「結婚する者の割合」が低下したら、当然出生率も低下する。 従って、 未婚率の増加が出生率低下の要因の一つ ではあるだろう。 しかし仮に未婚率は下限である0%になったとしても、 出生率は1.1倍程度になるのが上限だ。 今後、未婚率が急ペースで上がらないようにすることが重要であるように思える。

二つ目の原因は、晩婚化である。 晩婚化する理由としては、今の日本の就職状況である。現状日本では働く女性が増えていて、結婚を伸ばし子供を作らない状況ができている。そのため結婚したが年齢が年齢のため子供ができないという状況になるため、出生率が低下する。下の図を見ての通り、生涯結婚をしない人も少なくはない。中には、重要な女性が結婚をしないという人が多く、平成二年に5%ほど、平成22年に10.6%と20年で倍近くになっている。ここ最近での増加も大きい。


三つ目に核家族化による少子化である。 前は、お爺さんやお婆さんと暮らしていたため子育てが楽であり、両親が働きにでていても安心できたが、今は離れて暮らす家族が多いため子供が多いと生活が大変になってしまうという状況になるため子供が減り、あまり多くの子供を育てることが難しくなってしまう。

四つ目に夫婦出産数の低下である。 多くの結婚している夫婦は平均して二人の子供を作っている。 長い間変わっていなかった出生児数が2005年から減り始めた。 「理想の人数の子供を作れない理由」として挙がった理由のトップは「育児費用が掛かる」が60%以上で圧倒的であった。二番目に挙がった理由が「高年齢で産むのは嫌だ」で35%を占めていた。 そして、残りの少ない部分を占めていたのは、「ほしいのにできない」であった。 これら2つの理由は、医学的な問題と経済的な問題である。 なぜ、人口が減るといけないのか? 人口が減ることによって大きな損失をするのは経済的なことはもちろん、年金の方でも問題が生じてしまう。経済面では、人口が減ることによって、各仕事の跡取りが欠けてしまうこと。その他に生産性が落ちてしまうこと。そして消費も減ってしまう。年金問題では、今の日本は平均寿命が年々伸びている。しかし、寿命が延びることによって子供が減り、年配の方が増える状況になるため結果は変わらないのだ。

少子化対策としてできること 日本がこれまでに行ってきた少子化対策は、「次世代育成支援対策推進法」「少子化社会対策基本法」「少子化社会対策大綱及び子ども・子育て応援プラン」が行われてきた。 「次世代育成支援対策推進法」とは? 家庭や地域の子育て力の低下に対応して、次世代を担う子どもを育成する家庭を社会全体で支援する観点から、2003(平成15)年7月、地方公共団体及び企業における10年間の集中的・計画的な取り組みを促進するため、「次世代育成支援対策推進法」(平成15年法律第120号)が制定。同法は、地方公共団体及び事業主が、次世代育成支援のための取り組みを促進するために、それぞれ行動計画を策定し、実施していくことをねらいとしたもの。

「少子化社会対策基本法」「少子化社会対策大綱及び子ども・子育て応援プラン」とは? 2003年7月、議員立法により、少子化社会において講じられる施策の基本理念を明らかにし、少子化に的確に対処するための施策を統合的に精進するために「少子化対策基本法」(平成15年法律第133号)が制定され、同年9月から施行。そして、同法に基づき、内閣府に、内閣総理大臣を会長とし、閣僚によって構成される少子化社会対策会議が設置された。また、同法は、少子化に対処するための施策の指針としての大綱の策定を政府に義務づけている。2004(平成16)年6月、少子化社会対策基本法に基づき、「少子化社会対策大綱」が少子化社会対策会議を経て、閣議決定された。

今新しく考えられている少子化対策 2005年、日本は1899(明治32)年に人口動態の統計をとり始めて以来、初めて出生数が死亡数を下回り、出生数は106万人、合計特殊出生率は1.26といずれも過去最低を記録した。 こうした予想以上の少子化の進行に対処し、少子化対策の抜本的な拡充・強化・転換を図るため、2006(平成18)年6月、少子化社会対策会議において「新しい少子化対策について」が決定された。 「新しい少子化対策について」では、「家族の日」・「家族の週間」の制定などによる家族・地域のきずなの再生や社会全体の意識改革を図るための国民運動の推進とともに、親が働いているかいないかにかかわらず、すべての子育て家庭を支援するという視点を踏まえつつ、子どもの成長に応じて子育て支援のニーズが変わることに着目して、妊娠・出産から高校・大学生期に至るまでの年齢進行ごとの子育て支援策を提案している。

今、日本がするべきこと まずは、基本的な少子化対策として三つの事柄を忘れないこと ① 結婚や出産は、当事者の自由な選択に委ねられるべきであること。 ② 男女共同参画社会の形成や、次代を担う子供が心身ともに健やかに育つことができる社会づくりを旨とすること。 ③ 社会全体の取り組みとして、国民的な理解と広がりをもって子育て家庭を支援すること。 この三つを忘れることなく、基本的視点に立つことが重要である。


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