少子高齢社会
出典: Jinkawiki
1956年に国際連合が作成した報告書のなかで、老年人口(65歳以上人口)比率が4%未満を「若い人口」、4%以上7%未満を「成熟した人口」、7%以上を「高齢化した人口」と呼んでいる。これは絶対的な基準ではないが、一般的には、この基準を用いて老年人口比率が7%を超えた社会を「高齢化社会」と呼んでいる。「高齢化社会」とは老年人口比率が7%を超えてなお比率の増加がみられる社会を指しており、「高齢社会」とは老年人口比率の増加ば収まり不変になった社会を指す。日本では、極端な出生率の低下による子どもの数の減少が加わり、近年では「少子高齢社会」という呼び方をしている。
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高齢化の国際比較
欧米先進諸国の高齢化の状況をみると、おおむね1950年頃には高齢化社会となっている。だが、その時点に日本の老年人口比率をみると、それらの国々の半分にすぎなかった。しかし、2000年時点の老年人口比率では、日本が諸外国を追い越して17.4%と最も高く、スウェーデンが17.3%、ドイツが16.4%、フランスが16.3%と続いている。今後もこれらの国々の老年人口比率は増加傾向にあり、2020年頃から20%を超え始め、2040年から2050年頃にそれぞれピークに近い超高齢社会となることが予想されている。なお、老年人口比率では2050年にスペインとイタリアが35%前後の高率になることが予想されている。
日本の高齢化の状況
1950年以前の老年人口比率は低率で推移してきたが、1970年に7%を超えて高齢社会の仲間入りをし、1994年には14%と倍増している。2005年には20.1%と、2割を突破した。その後も増加の一途をたどり、2050年の時点で39.6%という高率となることが推計されている。老年人口比率が、極めて短期間に、かつ、かなりの高率になることが、日本の高齢化の特徴としてあげられる。
また、老年期は前期老年期(65~74歳)と後期老年期(75歳以上)に分けることができるが、それぞれの人口比率の変化をみてみると、日本の場合、老年人口のなかでも特に後期 老年期人口の増加が著しい。この後期老年期には、寝たきりや認知症の発現率が高まることが指摘されており、高齢者介護に対する今以上の対応が必要となってくる。
日本の少子化問題
近年、出生率は低下の一途をたどり、子どもの数が漸次減少している。年齢区分で人口構成をみても、「0~14歳」の少年人口比率は、老年人口比率の増加と反比例して減少傾向にあり、1950年には35.4%であったものが、1970年には24.0%、1995年にはほぼ老年人口比率と並ぶ15.9%となっている。2005年では13.7%あるが、最新の人口推進によると2025年で10.0%となり、2050年には8.6%にまで低下することが予測されている。
少子高齢化の要因
日本の急激な少子高齢化の主たる要因としては、出生率の低下による少子化とっ平均寿命の伸長による長寿命化の二つがあげられる。人口高齢化の指標である老年人口比率(高齢化率)は、[65歳以上の老年人口÷総人口]という算式で求められる。この場合、少子化は分母である総人口の減少傾向に影響を与え、長寿命化は分子である老年人口の増加傾向に影響を与えている。その結果、算出される老年人口比率が高まっていく。
参考文献
「少子高齢社会の未来学」 毎日新聞社人口問題調査会編
「21世紀高齢社会の基礎知識-少子・高齢社会とは」 エイジング総合研究センター著 岡崎陽一、山口喜一、島村史郎
「図表でわかる少子高齢社会の基礎知識」 エイジング総合研究センター著