少子高齢社会2

出典: Jinkawiki

目次

少子高齢化

近年、日本では、子供の数が減少する少子化が進行している。  わが国の合計特殊出生率は、1975年に2.0を割り込んで以来、 低下傾向にあり2007年には1.34となった。 このように出生率が低くなったのは未婚や晩婚の女性が多くなるとともに、 結婚しても子供を産まない夫婦が増加しているためである。 こうした価値観やライフスタイルの変化とともに女性の社会進出に対応した育児施設、制度の不備や、 住宅費や子供の教育費が高いなど、子育てへの社会的な支援体制が十分でないこともその原因である。 一方で新しく産まれるこどもの数が減り続けている中、平均寿命が延び多くの人が長生きできるようになり、 社会の高齢化も進んでいる。65歳以上の高齢者の総人口に占める割合(高齢化率)は1970年に7%を超え、 1994年には14%を超えた。 さらに2023年には30%に達すると言われている。

少子高齢化の影響

少子化により我が国の総人口は2004年をピークにして、2005年には減少に転じ、人口減少社会にはいった。 今後、労働力の不足や個人消費の伸び悩みなど、日本経済に影響を与えることが予想される。  一方で高齢者が増えると、年金や医療費などの社会保障費も増え、 社会の中で労働力の中核をなす世代の負担が大きくなる。 また、寝たきり老人や老人性性認知症の高齢者の増加は、 その介護にあたる家族が負担に耐え切れなくなるという深刻な問題を引き起こす。

少子高齢社会の課題

少子化に歯止めをかけるためには、政府や自治体が、女性に仕事をしながら安心して、 子供を産み育てることができるように、社会的な支援体制を整備することが求められる。 また、女性が産休や育児休暇を取りやすい職場環境をつくり出すとともに、 家庭においては男性が積極的に家事・育児を分担することが大切である。 労働時間を短縮し、子育ての時間を保障していくことも必要である。 本来、子供を産み育てることは人間の喜びであり、その営みが次の世代を形成していくのである。  一方で高齢化による社会保障負担の増大にたいしては、給付と負担の適正化を図るなど、 政府による適切な社会保障政策が求められる。 また、高齢化の進む社会を豊かで活力ある者とするためには、健康で元気な高齢者には、 その豊かな知識や経験を生かして活躍することが求められる。 社会の様々なところに、高齢者の活躍する場面が用意されなければならない。 そして、長生きが喜びとなるような社会をつくっていくことが大切である。  2000年から、地域社会で介護を支える介護保険制度がはじめられた。 この制度を支える人材や施設、財源を充実させるとともに、 地域全体で若い世代の子育てや高齢者の生活を支援し、お互いに支えあっていく地域福祉づくりが、大きな課題となっている。

参考文献

新版 現代社会


  人間科学大事典

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