恐竜の絶滅

出典: Jinkawiki

恐竜が地球に生息していたのは地球史で中生代にあたる三畳紀、ジュラ紀、白亜紀である。その中で数回にわたり、大量絶滅が起きている。 まず、三畳紀の大量絶滅。ここで地球上の76%の生物が絶滅したといわれている。しかし、この大量絶滅を生き延びた一部の恐竜は空白になった生物的地位を埋めるため巨大化していった。 次に、白亜紀後期の大量絶滅。絶滅規模は凄まじく全生物種の70%が絶滅する。三畳紀、ジュラ紀、白亜紀と長くにわたって地上に君臨した恐竜も、白亜紀の大量絶滅によって地球から姿を消すことになった。

1.巨大隕石の衝突

メキシコ・ユカタン半島に白亜紀に形成されたとみられるクレーターが見つかっている。このクレーターから推察される隕石の大きさは約直径180㎞という巨大なものでり、この隕石の衝突時の衝撃は凄まじく、広島原爆の30倍近いエネルギーに相当する。 隕石衝時あたり一面は焼き払われ、地層は一瞬で数十mめくり上がり、数㎞の高さの津波が発生し、灰が地球を覆いつくし太陽光を失ったことで植物は光合成ができなくなってしまった。 こうして地球の生態系は破壊された。

2.火山活動の活性化

隕石の衝突により地球内部のマグマ溜まりが増大し、火山活動が活発になったことがわかっている。この噴火によって非常に多くの溶岩や有毒ガスが排出され、恐竜たちに致命的なダメージを与えたと考えられている。

3.海の酸性化

隕石の衝突によって発生した硫酸が海に溶け出し、海を酸性化させた。また大気中の硫酸ガスにより酸性雨も発生した。これにより海は数年にわたり酸性を帯び、食物連鎖を破壊したといわれている。

4.地磁気消滅説

地球ではこれまで磁極の反転が起こっていることがわかっている。この磁極の反転の際、地球を覆っている地磁気が一時的に消滅する。地磁気は地上の生物を宇宙線や放射能、太陽風から守る役割があり、この期間恐竜たちに有害な宇宙線などが直接降り注ぐことになった。

5.二酸化炭素濃度の減少

白亜紀には被子植物が繁殖し、光合成によって大量の二酸化炭素を消費するようになり、白亜紀中期には現在の18倍もあった大気中の二酸化炭素が後期には1/6のまで減少していたことがわかっている。 大気中の成分濃度の急激な変化は恐竜たちにも深刻な問題だった。

6.植物の変化

白亜紀では被子植物が多様化し、草食恐竜が従来食べていた植物が減少し十分な食料を確保できなかったとする説がある。草食動物が数を減らせばそれに合わせて肉食恐竜も数を減らすことになる。

7.地球寒冷化

地球の寒冷化も恐竜絶滅の一因とされており、恐竜などの大型爬虫類は哺乳類などに比べ寒さに弱いとされている。ジュラ紀や白亜紀は温暖な気候で地球の平均気温は現在より10度以上高かったといわれているが、恐竜が絶滅したとされる白亜紀後期で平均気温が7度も低下していた。気温が生物に与える影響は大きく、爬虫類である恐竜も例外ではなかったと考えられている。

【参考文献】 恐竜はなぜ絶滅したか 進化史のヒステリーに挑む 中沢宣也、藤原輝彦講談社 1984.12

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