意識

出典: Jinkawiki

意識とは何か

「意識」定義についてアメリカの心理学の祖ともいわれるウイリアム・ジェームズは「意識の意味は誰かがそれを定義せよと言うまで知ることはない」と述べているように「意識」を意識的に説明することは難しい。最近では意識とはある人の内的な思考と感情と外的な環境についての気づきであるという定義が比較的広く用いられている。また認知過程において意識は大きくわけて3つの働きを持っている。それは覚醒(生物的意識)、アウェアネス(知覚、運動的意識)、リカーシブな意識(自意識)の3つの水準である。この3つについて詳しく説明すると

(覚醒)

最初の意識は目覚めた状態で覚醒と呼ばれる。人は睡眠と覚醒を毎日繰り返しているが昏睡状態の対極として体験され刺激の受け入れに対して準備ができた状態といえる。これらの覚醒や睡眠の諸段階は脳幹のコリン系やアミン系などの神経伝達物質の働きによって調整されているといわれ、脳波にもこれらの特徴があらわれるという。覚醒の神経機構としては脳幹の模様体に感覚信号が集められここで作り出される信号が視床を介して新皮質全体を触発して覚醒状態をもたらすとされている。

(アウェアネス)

刺激を受け入れている状態あるいは運動している状態でアウェアネスという。モノやコトに気づくという働きを含むという意味である。また外界の様子や出来事を心の中に映し出したり思い浮かべたりすることができる状態、さらには他人の言葉が理解できたり、与えられた問題を解決したりするといった心の状態を意味する意識がある。いわば、認知機能としての意識である。

(リカーシブな意識)

自意識と呼ばれるものですなわち自分自身に関する意識である。自意識は自我意識と自己意識に分けられる。対象が自分の意識そのものである場合で自己意識という。これは、いわば自己に向かう再帰的(リカーシブ)意識であるという意味である。例えば自分の容姿や性格、能力に関する自分の考え、自分の能力に関する確信、自分を価値あるものとみなす自尊感情、自分に注意を向けている意識状態などを自己意識という。 また自我意識とは自分自身が行為の主体であると認識したり、自分は心身ともにまとまりのあるひとりの人間であることや、過去の自分と現在の自分は同じ自分であることを認識したり、自分は他人とは区別される存在であることを認識する意識である。

参考文献

(意識)とはなんだろうか 下條 信輔

意識/無意識のサイエンス  本田 仁視

意識とは何か       芋阪 直行


  人間科学大事典

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