戦争と心理学

出典: Jinkawiki

戦争と心理学

戦争は多くの命を犠牲にする。国が負けないために、自分が死なないために他者の命を奪う。日本は戦争の放棄を宣言し軍隊を持たないため、幸い戦争とは縁がない。そのため他者の命を奪う行為の理解に苦しむがその時の人間の心理について説明する。戦場では、心理学的に意識変容が起こる。戦闘中には奇怪な知覚の歪みが生じ、周囲の見え方、現実の認識の仕方が変化する。ドクター・アートウォールの研究によると、銃撃戦を経験した警察官の8割以上が音の抑制を経験していることが分かった。致命的な武力対決のために選択的聴覚抑制が起こっているのだ。また、致命的武力対決に巻き込まれた警官の74%は自動操縦で行動している。つまり、戦闘中に意識的な思考を伴わずに行動しているということだ。ある警察官はパトロール中、急に銃を向けられたとき無意識的に銃を抜いて相手を撃ったという。その警察官は「自分が何をしているのか気づいていない。」と述べている。このように戦争の戦闘中には危険を感じた時、身体的にも心理的にも変化が起きている。また、このように反応できるように訓練も行われているが、倫理的に問題がある。戦闘の場面でのことを考えればよいと思うが、訓練によって、無意識的に人を撃てるようになるのは恐ろしいからである。

参考文献 デーヴ・グロスマン(2008)『「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム』二見書房

山内進(2006)『「正しい戦争」という思想』 勁草書房

殺意と英雄 〜『戦争における「人殺し」の心理学』から考察する中世の戦闘〜 http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=4876&story=50


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