手話
出典: Jinkawiki
日本の手話
日本では、ろう者同士の間で生まれ、広がった日本手話(Japanese Sign Language, JSL)のほか、日本語と手話とをほぼ一対一に対応させた日本語対応手話(Signed Japanese)、また、その両者の中間的な表現(中間手話Pidgin Signed Japanese)等が使われている。日本手話の文法においては、非手指動作(表情や頭部の動き、口型など)が重要な意味を持つ。しかし、日本語対応手話は、基本文法が日本語のため、非手指動作はほとんど使われない(日本語の文法に則って手話単語を表現する。ただし名詞の多くが手指表現+口型で意味が確定される点は日本手話と同じ)。このように、言語学的な観点でみると両者は異なるが、実際の運用面では両者がある程度混在している。 また、地域によって一部の手話単語が異なる。有名な例(手話単語の方言)では、「名前」の手話単語が東日本と西日本で異なることが挙げられる。
手話の誕生
1760年以前、「孤立」していた聴覚障害者は、ごく身近な人だけにしか通じない『ホームサイン』を使ってわずかな意思疎通をはかっていた。 1760年、ド・レペ神父が世界初の聾唖学校であるパリ聾唖学校を設立した。ここで世界で初めてのろう者の「集団」が形成されたとされるが、実際には世界の大都市では常に聾者集団は存在した。ド・レペ神父の貢献はこれらの聾者集団に読み書きを教えることで聴覚者との意思の疎通を可能にしたことである。彼らは、各々持っていたホームサインを統合し、発展させて、手話を創り上げた。パリ聾唖学校では、手話をもとにした教育法であるフランス法が確立された。 パリ聾唖学校の試みは、ヨーロッパ各地に波及していき、各国独自の手話が創り上げられた。
参考文献
鈴木康之『手話のための言語学の常識』 Wikipedia