捕鯨2

出典: Jinkawiki

概要
捕鯨とは、鯨を捕まえる行為であり、その目的は調査や鯨油の生産、食用など多岐にわたる。
近年では、日本の捕鯨が海外を拠点とする団体から集中的に避難されていることが注目されている。



西洋における捕鯨の歴史
  • 西洋おいてクジラは、古くから北欧のヴァイキングたちやアメリカ大陸のネイティヴ・アメリカンたちによって生活資材として利用していたことがわかっている。
  • また西洋において、食用に鯨を用いていた民族として、バスク人が挙げられる。彼らとクジラとの関係は古く、7世紀頃にはすでに鯨油を入手していた。
  • 16世紀には出版物を通して、クジラの存在は広く民衆に知られていたものの、実際に見た者は非常に限られていたため、伝説上の存在でしかなかった。さらに、そのようなクジラは、聖書においてヨナを呑み込んだとされる存在と同一視されていたことから、西洋では古くからクジラとは人間の手の届かないところに存在する神聖な動物であるという認識があったと考えられる。
  • 17世紀に入ると、自然の象徴として「大いなる魚」であるクジラを観察するホエール・ウォッチングが人気を博す。これもまた、神の領域への人々の大きな関心によるものであった。
  • その後、航海技術の発達により、西洋では大規模に捕鯨事業が行われたが、その目的は鯨油だけであった。
  • しかしその一方で、アメリカ合衆国の成立とそれに伴うプロテスタンティズムの広がり、さらには資本主義社会の席捲により、鯨油の生産は軍事や戦争に欠かすことのできない、金儲けの道具となった。
  • 現在では、乱獲による絶滅を危惧した国際組織により、BWU(シロナガス単位)の制定や、IWC(国際捕鯨委員会)の設置など捕鯨規制の運動が高まっている。これら規制は、1931年のジュネーヴ会議による決定が基礎となっている。


日本における捕鯨の歴史
  • 一方日本近海には、潮の流れにより多くのクジラが生息しており、古くは縄文時代よりクジラやイルカが主に食料として利用されていた。その後日本が食料としてのクジラを捨て、鯨油生産に踏み切ったのは、二十世紀に入ってからのことになる。
  • 現在日本には、鯨を食べる人はほとんどいないという。しかしながら、伝統文化としての鯨肉料理や捕鯨を守ることもまた日本の課題である。


捕鯨反対団体による声明
  • シーシェパードやグリーンピースといった国際的な環境保護団体は日本の捕鯨に強く反対している。しかしながら、グリーンピース公式ホームページによると日本だけでなく全世界的に「商業捕鯨」及び「調査捕鯨」には反対しており、生態系に影響を及ぼさない程度の「伝統文化としての捕鯨」には反対していないことを表明している。




参考文献

greenpeace. (http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/code/whale/index.html)
水産庁. (http://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/w_faq/faq.html)
"日本とクジラなぜ日本は捕鯨をするのか". BBC. (http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35529672)
森田勝昭."鯨と捕鯨の文化史". 名古屋大学出版会, 1994.




H.N.(編集者) あんのう


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