新しい学校
出典: Jinkawiki
新しい学校
北米の哲学者・教育学者ジョン・デューイに起源をもつ“新しい学校”は20世紀における改革運動としてもっとも激しいものである。 経験と活動という2つの概念を教育上の柱と据えることで目指されたのは個人の可能性の解放と社会秩序の変革であった。 それは民主主義の再定義のための教育であった。
アニキシオ・テクセイラの治世下のブラジルで“新しい学校”が教育の近代化との関連で影響力をもった。
こうした影響があったとしても、20世紀はじめの数10年“新しい学校”は主流からはずれた思想であった。 北米の教育制度と教授法をモデルとみる自由主義的でラディカルな教育学者もいたが、彼らとて北米のカリキュラム形成における論争を進んで検討することはなかった。
問題点としてはこの教育理念を取り入れることのよって前教育理念とまったく変わってしまった国がある。 たとえばラテンアメリカは教育の主体が明確化されないことがあげられる。 この背後には教師と生徒の対話の崩壊であり、異なる世代との対話の崩壊である。また、ここから差別や社会移動といった世俗的な問題も起こってくる。 伝統文化のある国ではそれが崩壊し、アイデンティティや自我を求める争いが一層盛んになっていく。 教育理念に問題が生じるということは人々の思考や感情にも影響を与えるということである。
参考文献 20世紀ラテンアメリカの教育 : その成功と失敗(<特集>転換期における教育社会学の課題-諸外国の事例から-) トレス カルロス A.Torres Carlos Alberto 山口 健二 著
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