新型コロナウイルス5
出典: Jinkawiki
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新型コロナウイルス
コロナウイルスとは
ウイルス的特徴は、直径100nmほどの球形で、表面に突起があること。名前の由来は、形が王冠“crown”に似ており、ギリシャ語で王冠を意味するcoronaから。ヒトにかかる風邪のウイルス4種類と、動物から感染する重症肺炎ウイルス2種類が知られていた。
新型コロナウイルス
これに加え、新たに重症の肺炎を引き起こす新型のコロナウイルスが感染者を広げている。中国を中心に世界的な広がりを見せており、各国は対応に追われている。
原因
中国の湖北省武漢市から発生している。原因はまだはっきりと分かっていないが、市場と関りがあった人間に感染していることから、野生動物ではないかとされている。中国政府は新型ウイルスのゲノム配列をインターネットで公開し、世界中で研究が進んでいる。SARS流行の際、感染状況を隠匿し拡大を広げたことの反省からだ。世界規模で研究が現在進行形で行われている。
現状
初期は野生動物からの直接感染であったが、現在では人から人への感染が確認されている。 1月31日現在で、全世界の感染者は9692人、死者は200人を超している。甚大な被害を引き起こすパンデミックが起こるか、流行をとどめられるかの瀬戸際にある。
各国の対策
中国
春節休暇と重なったことも要因のひとつだとして、2月2日まで休暇を延長した。企業の休業も上海市、蘇州市で行っている。香港では旅行客の受け入れを停止している。 海外への感染拡大を防ぐため、団体旅行を禁止している。武漢市では、国教交通機関の運行を停止するなどして「都市封鎖」を行った。しかし、それは万全だったとは言えず、現実としては感染を防ぎきれずに広げてしまった。
日本
チャーター便を手配し、1月31日現在で武漢に在留していた邦人のうち416人が帰国している。 日本では水際対策に追われている。サーモグラフィによって感染者を見つけ出し、感染拡大を防いでいる。 課題は、まだ症状が出ていない人間をどうするかだ。新型コロナウイルスの潜伏期間は最大で10~14日程度とされている。感染が発覚した場合、たどって対応することが必要になる。
フランス
2週間程度受け入れ観察をする。日本と違い、法律で観戦しているかもしれない人間を隔離できる。
経済への影響
中国人旅行客が多く訪れる東アジアは経済的な打撃を大きく受けている。各地で中国人の団体旅行客のキャンセルが相次いだ。 タイは、外国人旅行客の3割を中国人客が占めている。経済損失が3000億円を超える見込みだ。GDPの2割が観光業を占めているタイにとって、今回の事態は大打撃だ。 日本における中国旅行客の旅行消費額は1兆7718億円(2019年度)。旅行消費額の4割を中国人が占めている。渡航禁止が長引くと、経済に大きな損失が出てくる。
課題
足取りをどこまで公開するか?
足取りを公開することにはメリットとデメリットがある。 メリットは、感染拡大を防げる点だ。奈良県のバス運転手とバスガイドがコロナウイルスを発症していたことを受けて、大阪府では足取りの公開をしている。不安解消のためとの見解だ。また、対策への意識が高まるため、感染の疑いのある人が医療機関にかかりやすくなる。感染拡大を防ぐ手段としては有効だといえる。 デメリットは個人情報が広まってしまうこと、訪れた地域が風評被害を受けることだ。感染した個人のプライバシーが守られず攻撃を受けたり、地域にあらぬ噂が立ったりする可能性がある。 最終的にはこの2つの兼ね合いを政治的に下すことになるであろう。両者のバランスがどうなるかは今後の課題だ。
院内感染
死者は糖尿病などを患っていた人間、高齢者が多かった。免疫力の弱った人間が多数いる病院は格好の流行地だ。患者と濃厚接触せざるを得ない医療従事者の感染例がある。実際に日本の病院には、新型コロナウイルスに感染の疑いがある人間がきた想定で、実習を行っているところがある。院内感染を防ぐための対応が進められている。
症状が出ていない帰国者への対応
日本では、新型コロナウイルスを指定感染症に指定する政令が施行された。2月7日から、症状が出ている感染者の入院を法的に強制することができる。 問題なのは、症状がでていない帰国者の対応をどうするかだ。前述のとおり、コロナウイルスの潜伏期間は長い。無自覚のうちに感染を広めてしまう危険性がある。しかし、症状が無い者を強制的に入院させることはできない。日本には感染力の高くないハンセン病患者を強制的に長期間隔離した過去がある。
今後は感染が拡大されていくことが予測される。 人権を尊重したうえで流行を防いでいく必要がある。
参考文献
日本経済新聞 「新型肺炎 止まらぬ拡散」(2020-01-29) 「感染者足取りどこまで公開?」(2020-01-30) 「新型肺炎、東南アジア観光打撃」(2020-01-31) 東京都感染症センター「新型コロナウイルス感染症Q&A Ⅰ 新型コロナウイルス感染症の基礎知識」http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/2019-ncov/qa/qa1/ (2020-01-31) 国立感染症研究所「コロナウイルスとは」 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html (2020-01-31)
HN.安寧 forever