日本のゴミ問題
出典: Jinkawiki
日本のゴミ問題
ゴミを一番たくさん出している国は?
焼却炉の数(OECD2008)
日本
1243
アメリカ
351
フランス
188
ドイツ
154
スウェーデン
28
イギリス
55
上の表からわかるように日本のゴミ焼却場数はダントツで世界一です。
これほど多くのゴミを出し、燃やしている国はありません。
一人1キログラムのゴミを毎日出しており、年間で一家庭から1~2トンのゴミが出ているのです。
ごみ焼却量は、ヨーロッパの環境先進国の10倍以上で、ダイオキシン排出量も世界一です。
「燃やすとダイオキシン」、「埋めると土壌汚染」といった認識のもとヨーロッパなどの環境先進国では、厳しい規制があるのです。
このため、環境先進国を中心に「ごみゼロ社会」といった社会作りが、実践されるようになってきました。
ごみは燃やすことで量は減りますが、それでは、根本的な解決になりません。日本のゴミ処理は、根本的に間違っているのです。
日本のリサイクル法はなぜ問題なのか
現在、容器包装リサイクル法が実施されています。しかし、回収されたペットボトルなどが処理されることなく野ざらしになっている光景を新聞や、テレビでご覧になったことはありませんか? リサイクルは本当にうまく機能しているのでしょうか?
容器だけでなく、家電リサイクル法も実施されています。 しかし、このためにかえって家電製品の不法投棄が増加しています。 これは、日本の法律に問題点があるために発生しています。
第一に、企業(生産者)責任が含まれていない。 第二に、市民(使用者)責任が含まれていない。
この二つが考慮されないと、ゴミは一向に減りません。
結果として、毎月の一家庭でゴミ処理費を3万円以上負担しているのです。
4Rって聞いたことありますか?
4R:ゴミ処理の原則
REFUSE(リフューズ)やめる
REDUCE(リデュース)減らす
REUSE(リユース)再使用
RECYCLE(リサイクル)再利用
環境先進国、ヨーロッパのゴミ処理の原則で、この4Rによってゴミを大幅削減することに成功しています。
日本の現在のリサイクル法は、ヨーロッパで15年以上も前に失敗した法律なのです。
REFUSEとREDUCE (やめる、減らす)
ゴミは企業責任であり、すべての生産物を最終処分しなければなりません。 そのため、企業はゴミになるものは作らず、売らなくなります。 また、市民にもゴミに責任があり、ゴミの量に応じて処理代を払わなければなりません。 そのため、市民がゴミになるものを持ち帰らず、買わなくなります。 その結果、野菜や卵はスーパーでもバラ売りがあたりまえになっています。
買い物袋を持って買い物に行くのもあたりまえです。 処理費用はごみのかさに応じて直接負担となるため、減量に向けた意識を持ちやすいのです。
REUSE(再使用)
たとえば、ペットボトルは使い捨てでなく、何度も再使用しています。
店やスーパーでペットボトルを回収して、メーカーが中身を詰めて販売するシステムが確立しています。
さらにペットボトルも減少し、ビンが主流になっています。 シャンプーなども容器を持っていくと中身だけ量り売りをしてくれるお店もあります。
RECYCLE(リサイクル)
ほかの3つのRでゴミを減らすことが、大前提で最後の方法がリサイクルです。
日本では、大量生産・大量消費・大量廃棄・リサイクルですので、このままではゴミは減りません。また、リサイクルするための過程で大量のエネルギーを消費します。再生品をつくるよりも、再使用やリサイクルすべきごみを減らすことが最善なのです。
デポジット制ってなんだろう?
最近、耳にすることが多くなってきました、企業責任と消費者責任をつなぐ方法のひとつ、預かり金(デポジット)システムです。
商品を買うときに一定のデポジットが徴収され、使用後、お店に持っていくときにデポジットを返してくれるシステム。 少し昔の例では、ジュースのビンに 10~30円上乗せして、お店に空き瓶を持っていくとビン代が返金されたシステムです。
環境先進国では、ペットボトル、ビン、缶等の飲料容器だけでなく、クルマ、家電品、蛍光灯、電池などにも導入されています。
一例として、冷蔵庫を廃棄した場合、日本ではデポジットが含まれていないため、処分代に4千円取られ、不法投棄が増える原因となっています。 反対に、オーストリアなどでは廃棄時にデポジットのおよそ1万円が戻ってきますので、不法投棄は減る仕組みなのです。
ヨーロッパのごみ政策はどうなっているでしょう?
循環経済法によって「経済活動を自然の循環の範囲内で」と大枠が設定されています。 そのおかげで、使い捨て容器に高額の税金、ゴミの完全分別、生ゴミの堆肥化、デポジット制の導入などが整然と実施されています。 ゴミを作らない、売らない、買わない社会システムの基盤がしっかり整備されています。
できることからはじめよう
ごみは、私たちが毎日の生活で排出するとても身近な問題です。 私たち自身のこころがけで、大きく変化することができます。 基本となる4Rを実践しましょう。
ゴミの出ない買い方・使い方をすることが基本になります。
無駄なものを買わずに本当に必要なものを買う
紙袋や本のカバーなど過剰な包装は断り、買い物袋を持っていく 使い捨ての物や食品トレイ、パックなどのプラスチックのものを避ける 再生品や繰り返し使えるもの、長く使えるものを買う 欧州並み(企業責任、有料化、デポジット)のごみ政策を目指すよう、行政に意思表示しましょう!