日本の象徴
出典: Jinkawiki
「日本国の象徴とは」
憲法第一条は、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する国民の総意に基づく」とある。
「象徴」とは何か。
どちらかといえば、この言葉は法律用語というよりも、文学的な趣のある用語である。したがって、あまり厳密に考える必要はないというのが、大方の憲法学者の見方。「象徴」という言葉が意味するところは、間接的に「天皇主権ではない」「統治権を持たない」ということであり、「象徴」という言葉自体には、さほど深い意味はないという考え方であろう。 そもそも、君主制の国家では、君主〈国王や天皇〉は、統治者でもあるが、その国の代表すなわち象徴としての役割も併せ持つ。これは国家に限ったことでなく、組織のトップは、組織の象徴的な役割を兼ねるケースが多い。企業の社長、チームの監督など、皆実務的責任者であると同時に、その組織の「顔」の役割を兼ねている。 そういう意味で、大日本帝国憲法のもとで、天皇は「統治者」でもあり、「象徴」的な役割も果たしていたのだろう。 いっぽう、日本国憲法では、天皇は統治者ではなくなり、象徴としての役割だけが残ったことを「象徴であり」という言葉で表しているわけであるのではないか。
参考文献
『常識として知っておきたい日本国憲法』 著 博学こだわり倶楽部