晩婚化
出典: Jinkawiki
晩婚化とは、世間一般の平均初婚年齢が以前と比べて高くなる傾向をさす言葉である。高年齢で結婚することを「婚期を過ぎてから結婚する」ことをさして晩婚というが、その「婚期」についての社会通念も変化してきている。また、これによって少子化という問題も起きている。 晩婚化は先進国だけでなく途上国でも確認されており、世界的な現象となっている。第二次世界大戦以前の社会においては、10代で結婚して家庭を持つことはごく自然なことであり、全体にも平均初婚年齢は20歳前後にとどまる時代が長かった。これは進学率が低かったことが理由としてあげられる。特に女性は、長い間進学せず、に家事に就くことがあたりまえと社会からみなされていたので、進学や就職をせずに親の親の縁談で嫁ぐことも多かったので、女性の平均初婚年齢は10代後半が多かった。第二次世界大戦後、特に先進国において義務教育以上の就学(特に大学)への進学率が高くなると、平均初婚年齢は徐々に20代へと変わりはじめた。この傾向は高学歴を必要とする専門知識が求められる職種の増加や、学歴重視の社会や女性の社会参加の増大が考えられる。女性はほとんどの文化では男性に比べて不利益を被っているが、その不利益は結婚するとますます大きくなるといわれることも、晩婚化の要因の一つとなっている。 日本では労働時間が長く、男女の役割分担意識(男は会社、女は家事)が強いため、出産や育児に対する女性の負担が非常に大きいとされる。そのため、既婚女性の出生率は低く、女性がキャリアと出産や育児のすべてを望むことは大変難しい現実にあることがいえる。 結婚しない人、できない人が増加しているなか、さまざまな対策を考える企業、政府、自治体もある。最近では親の「代理お見合い」も存在する。これは「親の縁は子の縁」と銘打った「親のお見合い交流会」が、人気を集めている。営利を目的とせず、参加しやすいように工夫もされている。晩婚化に伴っての対策が増えつつある。
参考文献
『なぜ結婚できないのか』菊池正憲 すばる舎
『結婚の社会学 未婚化・晩婚化はつづくのか』 山田昌弘 丸善ライブラリー