村八分

出典: Jinkawiki

村八分

江戸時代において、村落などの閉ざされた共同体内で行われた制裁の一種。共同体の秩序を乱した者とその家族に対し、それ以外の共同体全員が申し合わせて、十種類のコミニュケーションのうち葬式と火災の二つを除いて絶交するというもの。火災は放っておけば共同体全体に被害を生じさせるため例外となったと思われる。葬式は死ねば全てを許されると言う思想の現れであろう。逆に言えば、死ぬまで許されないような重罪であるとも言える。他の八つとは「冠「婚」「建築」「病気」「水害」「旅」「出産」「年回忌」を指す。「冠」とは元服のことで今でいえば成人式のことである。

村八分にする理由は貧しい村落が生き残っていくためには、その規律を守っていかなければならない。存続のための制裁ならば、単なるいやがらせと言い切ることはできない。郷に入っては郷に従えと古人も言っているように、生きて行くための暗黙のルールがありそれを冒すことは犯罪であり村落としては制裁せざるを得なかったという事情もあった。

 現在では上記から転じて、職場・学校・地域などの共同体内のしきたり・規則を守らなかった者に対し仲間はずれにすることを指す。この現在の村八分の深刻な点は、上記のような内容が周知されておらず、かつ村八分にされる理由も明確でないため、時としてどのようにすれば村八分が解除されるか、された方は愚かした方でさえわからない点である。

新潟県関川村で起きた現代の村八分

04年4月、集落主催のイワナつかみ取り大会をめぐって「準備と後片付けでお盆をゆっくり過ごせない」「被告の1人がイワナ購入にあたって村の補助金を水増し請求している」との理由を挙げて運営から離脱。被告側は「集落の決定に従わなければ村八分だ」などと迫ったが、最終的に計15人が脱退した。  これを機に、被告らは同年6月から集落内の山菜・キノコの採取や集落所有物の使用を禁止。ゴミ収集箱に鍵をかけて見張り、役場などの回覧板も回さなかった。  判決は「原告らは大会から脱会しただけで、集落から脱退したわけではない」などと指摘。住民としての権利の侵害に当たると判断した。


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