東シナ海
出典: Jinkawiki
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東シナ海ガス田問題
概要:問題になっている東シナ海とは、太平洋西部にある縁海である。周囲には多くの国があり、中国や韓国、日本、フィリピン、台湾といった国々がこれを囲むようにしている。 東シナ海についての問題は複数ある。そのうちの一つが東シナ海ガス田問題だ。東シナ海ガス田問題は日本と中国の間に起こっている問題であり、東シナ海にあるとされている海洋資源(ここで指す海洋資源は天然ガスや石油などの燃料)の権益を得ることが目的だ。 またガス田の問題だけでなく、この海域の権益についても問題である。中国の権益拡大を日本が認める形になれば、日本の排他的経済水域が縮小する可能性もある。排他的経済水域の縮小は島国である日本の海洋産業に大きなダメージを与えるのだ。 排他的経済水域をめぐる問題は国際的に当事者同士の話し合いでの解決としている。このことが東シナ海問題の長期化にもつながっているのではないか。
中国の狙い
中国が東シナ海の権益拡大に意欲を見せる理由を挙げた。 1. 海洋資源の確保 中国はエネルギー資源の多くを石炭に頼っており、それが大気汚染につながっている。中国国内でも大きな問題となっており天然ガスや石油へとメインの資源を切り替えようとしている。しかし、中国は天然ガスや石油のほとんどを輸入に頼っているためコストがかかってしまう。そのため中国にとっても東シナ海の資源は重要になっているのだ。
2. 軍事的目的 ここ数年で東シナ海における資源開発は進んでおり、この海域には多くの洋上建築物が増えており権益拡大に向けて意欲的だ。また海洋資源だけでなく軍事目的で進出しているとも考えられる。東シナ海の近くにある南シナ海には尖閣諸島があり、ここもまた日本と領土をめぐって起きている問題の一つだ。中国は他にも香港やフィリピンとの間にも様々な問題を抱えており東シナ海の優越権を自国のものにすることは日本にだけではなくその他の周辺諸国に対する威嚇にもなるのだ。
3. 海洋権益の拡大 中国は日本のような島国ではなく、大陸に属している国である。そのため漁業などの海洋産業が活発に行えないという一面がある。現在、日中の中間線と日本が主張している日中中間線のぎりぎりまで進出している。今後日本が少しでも譲渡の姿勢を見せれば中国はすぐに勢力の拡大に進むだろう。南シナ海には中国の人工島をつくり、その島の周辺の海域を自国のものと主張している場所もある。国際的にこれは認められていないが中国は自国のもののように扱っている。日本がこの東シナ海の問題に万が一譲渡すれば排他的経済水域の縮小、海洋産業の衰退は免れない。
東シナ海ガス田問題
東シナ海にあるガス田は日本と中国、両国の排他的経済水域(自国の基線から200海里まで)の中にあるため分けるのが難しくなっている。日本は現在、国際的に一般的とされている日中中間線を主張しているのに対し、中国は沖縄トラフと言われる地点までの権益を主張している。日中中間線で境界をつくればガス田はちょうど両国で分け合う形となるが、沖縄トラフまでの権益を認めてしまうと東シナ海のガス田に関する権益をすべて中国に譲ってしまう形になる。 中国のような大国にとって資源不足は深刻な問題であり、近海にある資源は自国のものにしたいと思うのは当然のことだ。しかしその資源を狙っているのは周辺諸国も同じである。 しかし実際に東シナ海のガス埋蔵量はあまり期待できるものではなく、20年ほどしか採集できないとの意見が上がっている。これは日本国内の天然ガス埋蔵量と比べるとごく少量でしかないようだ。
=軍事拡大=
日中中間線の中国海域側で増えている中国の海上施設は地下資源の確保のみならず、軍事的拠点としても利用される可能性がある。中国は東シナ海だけでなく南シナ海でも岩礁を埋め立て、軍事拠点化を進めている。中国が増設している海上施設だが、施設同士をつなげることによって大きな軍事施設になる。これは日本の安全保障にとって脅威であり国際的にも懸念されている。実際、中国は軍事演習を活発化させており、砲兵部隊の実弾演習やミサイル駆逐艦を使った演習を行っている。このような中国の軍事的圧力に対し東シナ海における中国の脅威を国際社会に共有ことが得策だとした。日本国内では集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案が可決するなど安全に対する関心が高まっている。
中国が東シナ海を掌握すれば日本の防衛体制やアメリカ軍の活動まで把握されることになり、南シナ海のように中国の権威が強まっていきかねない。
=領土問題=
東シナ海での問題の中で領土問題といえば尖閣諸島をめぐる問題だ。
上記では中国の狙いの三つ目として挙げた。この問題は日本の八重山諸島(沖縄県)の北西175キロに位置し沖縄県の一部とされている尖閣諸島をめぐって起きている。尖閣諸島は今でこそ中国が介入し領土問題になっているが、日本古来の領土として守られてきた。
1884年 沖縄県の実業家の古賀辰四郎氏が尖閣諸島で漁業に携わり、島の利用許可を明治政府に申請。
1885年 明治政府が現地調査を行い、清(現:中国)の支配が及んでないことを確認。
1995年 日本の領土に編入決定。
1896年 利用申請が認められ古賀氏が島に移民を送る。(1940年以降は無人島になる。)
長らく無人島ではあったものの中国の領土になったことは一度もなく、この領土の領有権については日本の主張が国際的にも一般的とみられている。
中国が領有権を主張し始めたのは1971年であり現在に至る。突然領有権を主張し始めた背景には上記にも挙げた東シナ海にあるガス田の存在がある。日本は古来の領土として守っていく姿勢を示していたが2008年に起きた「中国船領海侵犯事件」や「尖閣諸島中国漁船衝突事件」が起きて以降頻繁に領海侵犯を繰り返している。これに対し東京都の石原都知事(当時)は尖閣諸島を地権者から買い取るなどして日本の支配力を強める取り組みを行った。
=尖閣諸島=
北緯25度43分~56分、東経123度27分~124度34分の海域に点在する島である。日本が実効支配しており、中国が領有権を主張している。「尖閣諸島」や「尖閣列島」は日本の呼称であり、中国では「釣魚群島」などと呼ばれている。尖閣諸島は魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島、沖の北岩、沖の南岩、飛瀬などで構成されている。現在は無人島となっている。尖閣諸島付近の海域は好漁場でありそれを餌としている大量の海鳥の生息地となっている。絶滅危惧種にも指定されているアホウドリの生息も確認されており、自然の面においても重要な場所となっている。
排他的経済水域
排他的経済水域とは沿岸国に経済的な管轄権が与えられているが、他国の航行に関しては自由通行となっている海域。領海の基線から200海里以内の海域のこと。沖ノ鳥島は外周がわずか11キロメートルのサンゴ礁の上に岩が顔をのぞかせているに過ぎない小さな島だが、日本の国土よりも大きいおよそ40万キロ平方メートルもの排他的経済水域を確保しており、日本の経済に大きな影響を与えている。国が水没対策の必要な沖ノ鳥島の護岸工事に300億円を投じたことにも納得がいく。尖閣諸島も日本本島から離れた島であり、小さい島ながらも獲得することは排他的経済水域の大幅拡大へとつながる。
参照
東シナ海ガス田問題: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E3%82%B7%E3%83%8A%E6%B5%B7%E3%82%AC%E3%82%B9%E7%94%B0%E5%95%8F%E9%A1%8C 中国の東シナ海支配から日本固有の領土「尖閣諸島を守る」:http://action-now.jp/archives/8211 東シナ海の中国のガス田開発は絶対にペイしない:http://blogos.com/article/124662/ 東シナ海・尖閣諸島問題だけじゃない!アジア太平洋の平和を乱す中国の南シナ海進出: http://action-now.jp/archives/8893 尖閣諸島: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%96%E9%96%A3%E8%AB%B8%E5%B3%B6 排他的経済水域:http://www.h5.dion.ne.jp/~s_coral/webmaster/haitatekikeizaisuiiki.html