東芝クレーマー事件4
出典: Jinkawiki
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東芝クレーマー事件
東芝クレーマー事件とは1999年に起きた、東芝と点検・回答を依頼した個人ユーザーとのやり取りがこじれネットを巻き込んで騒動に発展した事件。
概要
1998年12月、福岡市内の家電量販店ベスト電器で東芝のビデオテープレコーダを購入した福岡県福岡市中央区在住のハンドルネーム「Akky」が、購入直後に製品の点検・修理の依頼をしたところ、勝手に改造されたうえに、購入した販売店、東芝系列のサービスマン、そして東芝本社に交渉相手が変わり、たらい回しされたあげく、東芝の「渉外管理室」担当者が暴言を吐くなど暴力団まがいの応対を行ったとして、経緯や電話応答を秘密録音した音声を「東芝のアフターサービスについて(修理を依頼し、東芝本社社員から暴言を浴びるまで)」と題する自身のウェブサイトにて公開した。音声が公開されるまでに、複数の担当者が不適切な対応をし、ユーザー側の感情を害していた。 1999年当時はまだ常時接続は試験サービスしか提供されておらず、ダイヤルアップ接続等の従量制しかないインターネットで接続しているユーザーが多数派だったため、当初はネットにおいてのみ認知されていた。その後、徐々に問題のウェブサイトへのアクセス数は増えるが、急増したのは、東芝が仮処分申請を出したのを受けて旧来型の大手マスコミが取り上げ世間に知らしめたためである。 一気にアクセス数が急増し、1999年秋に閉鎖されるまでの間には1000万アクセスを超えた。熱心なインターネットユーザー以外にも、大手マスコミを通じて事件のことが周知され、東芝不買運動へと発展した。
「お宅さんみたいのはね、お客さんじゃないんですよ、もう。クレーマーっちゅうのお宅さんはね。クレーマーっちゅうの」
— 東芝側担当者
特に1999年2月28日にAkky氏と東芝側の会話の中で出た東芝側担当者のこの発言は頻繁に取り上げられ、「クレーマー」という言葉を広めるきっかけにもなった。 また東芝はユーザーが対話に応じないために司法判断に委ねるとして、ウェブページの一部差止めを求める仮処分を申請したが、これが「消費者への恫喝」「言論弾圧」と多くのネットユーザーに受け取られ、司法的手段を敬遠する日本的風潮とも相まって更に批判が強まり、不買運動を加速させた。一方、解決の見えない要求を続ける同ユーザーに対する非難も多く寄せられたが、最初はユーザーに好意的な報道を行ったマスメディアがほとんどで、ユーザーに批判的な報道を行ったのは『週刊文春』(文藝春秋)のみであった。 ユーザーは2000年に『週刊文春』を名誉毀損で福岡地方検察庁に刑事告訴したが、その2年半後に東京地方検察庁が不起訴の判断を下している。
事件の影響
企業にとっては新しい時代に対するクレーム対応の教訓となり、他の業種にも強い影響を与えた。「コンプライアンス違反である」「無理な改修は行わず、商品と同額返金などの常識的な対応を徹底する」など、社内でのお客様情報の共有が進んだ。 当事者である東芝はサポート体制を充実させ、問題が発展する前に適切に処理する体勢を発展させた。正当な要求には素早く応え、不当な要求にはきちんとした対応を行うようになったという。 これにより、後年東芝のサポートは顧客満足度調査において上位にランキングされるに至った。 インターネットのコミュニティにおいては、当時の大手匿名掲示板だったあめぞうが不調だったことから、開設して間がなかった匿名掲示板の2ちゃんねるがこの事件を扱う特設掲示板を設けてアクセス数を伸ばし、その後の2ちゃんねるの躍進の足がかりともなった。
参考
・東芝クレーマー事件の問題の核心[1]
・東芝クレーマー事件の音声-youtube[2]
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