梅ジャム

出典: Jinkawiki

 梅ジャムは、日本の駄菓子の1つであり、梅肉(梅干しの果肉部分)を用いたジャムである。つぶした梅干しとともに甘味料、着色料などを加えて作られる。

概要  梅ジャムの創始者は、高林博文。高林氏が十四歳のころ、町では紙芝居が流行していた。当時の紙芝居には駄菓子がつきものであり、そのなかでもソースせんべいが人気だった。そのせんべいに着目した高林氏は、乾物屋で売られていた梅肉と、父親が譲り受けたリンゴのエキスが、開発のヒントになったという。約2年の試行錯誤の末に、完成する。価格は今の小袋で1つ10円。

駄菓子として  昭和20年頃に紙芝居の流行が去り、駄菓子屋が流行し始めると、今まで紙芝居屋がせんべいに直接塗った状態で売っていたのをやめ、新たに小袋入りでの販売を開始した。これにより、ソースに塗ることが普通の食べ方だったが、小袋の登場によってそのまま食べる子供も増えていったという。同時期にまた別のジャム菓子が発売されたが、保存の問題により長持ちする梅ジャムは、変わらず人気だった。人気の理由の1つに、近代の子供たちと比べると、昔の子供たちは野外で遊びまわる子供が多かった。そんな時に、汗をかいて疲れた子供たちの体にいい刺激を与えたのだろう。駄菓子屋が衰退した後でも、縁日などで売られ、時代、世代を問わず愛される国民的駄菓子の地位を確立し続けた。

生産終了  駄菓子屋の衰退や、近年の子供の好みの変化により、売り上げは低迷していた。また、一人で長年製造してきた高橋氏の身体の問題もあり、2017年12月20日をもって製造を中止した。高林氏は、梅ジャムの製造方法をだれにも明かさず、後継者を出していない。これについて、高林氏は「お前たちはお父さん以上のお父さんになれ」、「梅ジャムは自分が作り始めた商品だから自分で閉じる」と、述べられている。よって、梅ジャムは全国のファンに惜しまれながらも、70年の歴史に幕を閉じることとなった。

参考文献 朝日新聞デジタル だがしかし3 コトヤマ 2015 10 21 小学館

ハンドル名 キンシャサ 


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