森の幼稚園
出典: Jinkawiki
森に限らず、山や海辺など、自然の中で行う幼児教育・保育の総称。 約50年前の1950年代半ば、デンマークの母親が園舎を持たず森の中で過ごす形態の自主保育をしたのが始まり。北欧からドイツに広まった。日本でも平成17年から全国交流フォーラムが開催され、関心を集めている。
- 森の幼稚園の発端
森の幼稚園の生みの親となったデンマークのエラ・フラタウ(Ella Flatau)という女性は、自分の子どもを毎日近くの森に連れて遊んでいた。それを見ていた近所の人たちは、当時幼稚園が不足していたこともあって、「彼女に自分たちの子どもも預けていっしょに面倒を見てもらってはどうか」と考えました。やがて彼女の周りに住んでいた小さな子どもを持つ親たちは、自主運営によるヨーロッパで最初の『森の幼稚園』を開園した。
- 特色
園舎も、囲われた敷地も、備え付けの遊具もない。子どもたちは、一年中、四季を通して森の中。枯れ枝や、落ち葉などを使って、想像力のおもむくまま自由に遊ぶ。森のなかでの遊びは危険がつきものであるため、子どもたちは体をつかって自分の限界を学んでいく。そして、その限界を乗り越えたときの喜びは、自分に対する大きな自信となる。想像力、身体能力、精神と体のバランス、社会性が同時に養われるのだ。四季の移り変わりを体で感じながら、自分の能力を最大限発揮できるということが、この幼稚園の最大の特色であろう。
- ドイツにおいての広まり
ドイツでは1990年代半ばからその数が急激に増え、環境教育に熱心な両親のみならず、若者世代を取り込もうと懸命な環境行政や、発育への影響に関心を寄せる科学者からも大きな注目を集めている。しかし、最初から受け入れられたわけではなかった。ドイツでは、1968年にウルスラ・スーべ(Ursula Sube)という女性が有志の親たちと協力して、ドイツで最初の森の幼稚園を開園したが、1990年代の初めまで、森の幼稚園の数はごくわずかで、その存在は世間からほとんど知られていなかった。その後の1991年、ケースティン・イェプセン(Kerstin Jebsen)とペトラ・イェーガー(Petra Jager)という2人の幼稚園の先生は、ある教育専門誌でデンマークの森の幼稚園に関する記事を読み、大変感銘を受け、デンマークで研修を受けた後、1993年、北ドイツのフレンスブルクにドイツで最初に公認の森の幼稚園を設立した。このフレンスブルクの幼稚園が行った熱心な広報活動により、そのアイデアはドイツ中に広がり、1990年代半ば過ぎから、ドイツ各地で森の幼稚園が開園していったのだ。現在では、ドイツ全土で300以上にものぼる。
- 日本においての広まり
2008年10月5日(日)23:00~ 毎日放送「情熱大陸」で、沖縄の自然学校が、10月28日(日) ETV特集で、千葉の里山幼稚園が放映され、メディアでも注目を集めている。 また、平成17年度からフォーラムも開催され、さらなる発展が期待されている。 しかし、日本の幼稚園は教育基本法において、園舎の設置義務があるため、園舎がない森の幼稚園の認可が難しい問題も存在している。
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