森の幼稚園　３

出典: Jinkawiki

森の幼稚園は北欧のデンマークが発祥の地であり、森の中で活動を行う幼稚園のことである。一日を森の中で過ごすので自然を五感で感じとって学ぶことを教育理念としている。一日中森の中で過ごし、手で触ったり、目や耳などで自然を感じて自由に遊ぶことを通して想像力や創造力を養おうとしている。

森の幼稚園の発端は１９５０年頃、デンマーク人女性のエラ・フラタウ氏が、自分の子供を毎日近くの森に連れて遊んでいるのを近所の人たちが見て、彼女に自分の子供たちも預けるようになり、自主運営による欧州で最初の「森の幼稚園」が誕生した。北欧からドイツに次第に広がっていき、現在ではドイツには３００から４５０程度森の幼稚園があると言われている。

森の幼稚園では体を使って自分の限界を学ぶ。その限界を乗り越えたときの喜びは自分の自信になる。また、想像力、身体能力、精神と体のバランス、社会性も同時に養われる。四季の移り変わりを肌で実感できることも森の幼稚園の良いところである。

森の中には危険もたくさん存在している。子どもたちは森の中で学ぶことを通して、危険を回避する能力も養っている。森の幼稚園では大人の意見や考えを押し付けず、子どもたちが自ら行動することを大切にしており、大人は補助をしている。

森の幼稚園に通った生徒の方が普通の幼稚園を出た生徒よりも発育に遅れが出るのではないかと思う人もいるが、両者で発育のレベルに差はほとんどない。学校に入ってからの成長を見ると、森の幼稚園を出た生徒の方が、学習面、社会行動、身体の能力などの面で成長が良いという結果が出ている。森の中で遊ぶことで培われる想像力、集中力、我慢強さ、精神と身体のバランス、社会性などは子どもの後々の成長に重要である。

日本ではまだまだ森の幼稚園の数が少ない。フォーラムも開催されているので少しずつ日本にも浸透し始めている。日本の幼稚園は園舎の設置が義務づけられているので、園舎のない森の幼稚園は日本では難しいとされている。 子どもの時に受ける影響や印象がその後のその子の基盤となるので、森の幼稚園での経験は子どもたちに大きな影響を与える。

参考資料 http://www.morinoyouchien.org/

ハンドル名：パン