森の幼稚園10
出典: Jinkawiki
森の幼稚園10
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森の幼稚園の形態
森の幼稚園には、原理上二つの異なった形態がある。すなわち、一方は「純粋の」、他方は「融合的な」森の幼稚園である。これ以外にも、森の計画、森の週間、森の日を実施する世紀の幼稚園もどんどん増えている。
「純粋の」森の幼稚園
この「扉も壁もない」幼稚園は、独自の自由に使える建物は何も持っていない。幼稚園の日課は、もっぱら森や牧草地や野原や海浜等々の自然空間でこなされる。森の幼稚園の中には、図工保育とか就学前児童に特化した処置を施すものも幾らかある。この形態には、もっぱら午前中だけ行われる半日制幼稚園も含まれる。午後は子供たちは家にいる。保育時間にはサガアル。ふつう夏期は4時間、冬期は3時間から3時間半である。
この後の体験的調査では、もっぱらもしくは少なくとも就学前教育としての「純粋の」森の幼稚園在園時に最終2年間通園していた子どもたちだけが対象となる。
融合的な森の幼稚園
「純粋の」森の幼稚園とは対照的に、この変種は固有の部屋をもった全日制幼稚園である。通常は市町村、老人ホーム、病院、協会、正規の幼稚園その他の公的機関から部屋が借りられる。午前中一杯子どもたちは自然野中で遊ぶ。そうすると、この年齢集団の子どもたちとしては、昼前はとても疲れるおそれがあるので、その場合は午後の保育は旧来の幼稚園での保育と同様に行われる。職員の配備は「純粋の」幼稚園と似ている。
両親の一部の就学状況が変化[訳者注:共働きの増加]していく社会における、もっぱら教育効果をあげるためだけの今後の要請に応えて、将来はきっと全日制の施設をこれまで以上に必要とするようになることだろう。この予測可能な社会発展に基づいて、ドイツでは融合的な形の森の幼稚園が広く受け入れられるようになろう。 融合的森の幼稚園の変種は多様である。
異質の形態
固定的な森のクラス
このモデルでは、子供たちの固定的なクラスが午前中森の中だけで過ごす。このクラスは、午後は子供正規の幼稚園の決まった教室で保育される。この変種は、特に自分の子どもたちに森の幼稚園をあてがいたいと願う有職の親たちのためになるということで、将来広がるものと思われる。
ドイツでは、この形態は極めて希にしかお目に掛かれない。対照的に、これはデンマークでは広く普及した森の幼稚園の「種」である。そこには、その構想の中に動物の飼育も受け入れてきた施設も幾らかある。ドイツでも、これはすでに今日若干の施設において計画されている。
流動的な森のクラスもしくは巡回クラス
子どもたちは、幼稚園にとどまるのが好ましいかあるいは盛へ出かける鵬を望むかは、日ごとに自分で決められる。どの日に子どもたちが森に出掛けるか、それとも幼稚園二とどまるか、確定した計画をたてる施設も若干ある。
例えば、ヴュルツブルクでは、全日制児童施設の場合、子どもたちは火曜日と金曜日の午前中は森の中に固定された「樹上の小屋」にいる。水曜日と木曜日は、子どもたちは、森に出掛けたいか、それともむしろ施設に残りたいかを自分で選べる。月曜は「家と庭の日」である。この日は子どもたち全員を施設で保育する。(ヴュルツブルクの森の幼稚園)
森の計画、森の週間もしくは森の日
この変種は、典型的な意味では森の幼稚園ではない。ただ一定期間だけのキホンテキナ特徴として、森の幼稚園から個別の要素が正規の幼稚園の日課の中に入ってくる。その結果、子どもたちは、例えば週の一定の日森のなかで過ごす。同様に、これはどの日かどの週かもしくは計画に関係のある期間を予示できる。まさに自然の中での滞在により、非農村地域に住む子どもたちは、新しいたくさんのものを知ることができる。
全く新しい環境のため、これにより初めは問題を引き起こす子どもたちもいる。玩具がないとか場所がないとかいったことに、いらだったりいぶかしがったりする子どもたちもいる。通常はこういう疑惑は数日後には解消し、子どもたちは、しだいに自然に対し自然の中に楽しみを持つようになる。
ドイツでは「純粋の」森の幼稚園の形態が目下のところ最も広く普及している。だが将来は、「融合的」森の幼稚園が増えるようになろう。というのは、家族の人数が減り、両親が職に就けば、それとともにその子どもたちは全日制の保育に頼らざるをえなくなるからである。
参考文献
ペーター・ヘフナー、佐藤竺[訳](2009)『ドイツの自然・森の幼稚園―就学前教育における正規の幼稚園の代替物―』公人者
HN:KI