欧州経済危機

出典: Jinkawiki

目次

概要

 世界金融危機に対して、EU各国は財政出動によって景気悪化からの脱出を試みてきた。また、単一通貨ユーロの導入によって、域内の為替変動リスクや為替取引手数料等が除去されたことで、ユーロ圏域内では更なる貿易・投資の促進、域内企業間での競争促進などの効果が生まれ、金融・資本市場の再編が促進された。米国市場に匹敵する金融・資本市場が形成され、高い競争力を誇るグローバル金融機関が出現し、ユーロは国際通貨としての地位を確立するに至っている。しかしこれが財政収支のあっかをもたらし財政危機という新たな火種を生むことになってしまった。  リーマン・ショック以降、アメリカ同様欧州でも大手総合金融機関を中心に経営危機や破綻が相次ぎ、中東欧諸国でも次々と深刻な金融・経済危機が発生することで、欧州は決して金融危機の一方的な被害者ではなくて、むしろ自らも深く関わっていたことが明らかとなった。

拡大した危機

 2011年7月、ギリシャの国債はデフォルトの一歩手前まで格下げされた。そのためEUは2010年に欧州金融安定化ファシリティーを設立し、IMFとともにギリシャに対して融資を行った。2012年には、EFSFに代わって欧州安定メカニズムが発足した。

危機の中での円高

 為替相場は2011年に1ドル=75円となり大幅な円高に見舞われた。これは、先行きが不安なドルやユーロよりもむしろ日本の円のほうが信用しやすいという国民の市場心理があったからである。また、欧州諸国が輸出拡大を狙い、自国通貨安も容認したことも円高の一因となってしまった。

今後のEUの課題

 ユーロを導入した結果、財政政策は各自で行うことができるが、金融政策は独自で行うことができなくなってしまう。各国が財政政策による景気調整を行い、財政支出を拡大してしまうことが今後、危惧される。

参考文献1 藤原章生著 『ギリシャ危機の真実』

参考文献2 http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2011/2011honbun/html/i1220000.html

EURO


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